こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

ラクーンホールディングス(3031)について~株価下落は必然?

こんにちは!

 

この記事は、ラクーン(3031)に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

 

・株価の下落は必然?

フィンテック企業には2種類ある

 

【目次】 

 

【第25回定時株主総会決議ご通知】

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1 ラクーンホールディングスについて

⑴ 会社概要

メルカリの企業版と言われる衣料・雑貨の企業間電子商取引「スーパーデリバリー」を運営しつつ、売掛債権保証業務にも力を注ぐ会社です。

 

■企業理念等 

「企業活動を効率化し便利にする」

■セグメント

・EC事業

 「スーパーデリバリー」

・フィナンシャル事業

 「T&G売掛保証」、「URIHO」、「住居用家賃保証」

⑵ 株主になったきっかけ

某ユーチューバーの10バーガー候補という動画を見て興味を持ち購入。

数カ月間保有していました。

チャート的に勢いがなくなったことと、イー・ギャランティ株主総会に参加したことで7月に利益を確定しました。

⑶ 経営分析

2021年度は大幅な増数増益でした。

ここでは、より細部を明らかにするため、会社四季報で同業と記されているイー・ギャランティとの比較により分析してみました。

■収益性

・売上高総利益率:85%

売上高営業利益率:27%

高収益のビジネスモデルといえます。

10バーガー候補とみなされるのも分かる気がします。

けれども、イー・ギャランティの場合は

・売上高総利益率:75%

売上高営業利益率:43%

こちらのほうが、より高収益と考えました。

■安全性

流動比率(200%以上):169%

・負債比率(100%以下):133%

自己資本比率(30%以上):43%

財務的には悪くはありませんが、安全とみなされる基準値を流動比率と負債比率が下回っています。

この点でも、3指数とも基準値を上回るイー・ギャランティに軍配が上がります。

■効率性 

・売上債権回転率:0.89

債券保証ビジネスが収益の柱の会社にしては、債権回収が上手くいっていないように思います。

効率性の観点でもイー・ギャランティが売上債権回転率が100を超えていることから、著しく見劣りすると分析します。

このように分析した結果、収益性、安全性、効率性すべての面でイーギャランティが優れているという結論に達しました。

利益を確定した理由の一つがここにあります。

 

cogepan20.hatenablog.com

 

2 株主総会

⑴ 株主総会

第25回定時株主総会 2021年7月24日(土) 日本橋蛎殻町 ラクーン本社

土曜日に総会を開くことは、広く株主の意見を聴くという点で好感が持てます。

ただし、今回は東京オリンピックのボランティア活動と競合したため欠席しています。 

⑵ 株主還元 

■配当

20円

株主優待

なし 

また、ROEが13.5%予想配当利回り0.74です。

特に、ROE20%が当面の目標というのは株主にとっては好ましいポイントです。  

               

3 株主としてのコメント

⑴ 株価下落は必然?

第1四半期決算が発表され、株価はストップ安を付けました。

その後も下落トレンドが継続しており、9月3日現在で年初来安値を更新しています。

4月23日の高値から約4か月で株価は半値になりました。

なぜ、こんなことになったのでしょうか?

計画に対する事業の進捗状況が芳しくなかったことや、前年同期比で営業利益率が-24.8%であったことなどが下落の要因と考えられます。

ふつうに悪くない決算だとしても、市場の期待に達しないということで暴落するのは、”成長企業あるある”と見なせるかもしれません。

けれども、ラクーンの場合もっと深いところに問題を抱えているようにも感じます。

それは、”成長そのものが一過性のものではないか?”という懸念です。

もし、その仮説が正しければ株価下落は必然です。

具体的に見ていきましょう。

ラクーンはEC事業とフィナンシャル事業の2本柱。

EC事業ではマスク・消毒液のコロナ特需が業績を押し上げましたが、これは徐々に剥落していくと予想します。

フィナンシャル事業では、倒産する会社が少なかったことが好業績につながっています。

でも、よく考えると今は多くの中小企業が給付金をもらっているので倒産件数は少なくて当然。

問題は、給付金が無くなってから事業活動を通じて借りたお金をこれからどこまで返済できるかにかかっていると思います。

その意味で、某ユーチューバーが、”ラクーンの企業に対する目利き力は素晴らしい”と絶賛しているのは早計だと考えます。

そして、このことは、イー・ギャランティ株主総会にて社長がラクーンは同業者とは考えていない金利等の面で対象が異なる)”と社長が明言したことに符合します。

ラクーンもその点は認識しているようです。

株主総会招集通知の中の対処すべき課題の中で”売掛保証サービスの利益の安定性”を掲げており、保証履行による損失が利益に与える影響を認識しているようです。

けれども、分かっていることと出来ることは別問題です。

「見せてもらおうか!ラクーンの目利き力とやらを!」

10バーガー候補ラクーンの成長ドライバーがコロナ禍におけるマスクや給付金の特需という一過性のものでなければよいのですが・・・。

⑵ フィンテック企業には2種類ある

フィンテック企業には金融機関が大規模なIT化を進める場合と、IT企業が金融業に参入する場合があります。

それぞれ、一長一短があると思います。

経験論ですが、ラクーンのようなIT企業が金融界に参入した場合は、最初は調子良く事業が進みますが、ある程度のところで成長が鈍化するパターンが多いように感じています。

おそらく、金融業界のよりディープな部分に関係しているように考えます。

金融業界は、リーマンブラザーズや山一證券の破綻に象徴されるように甘っちょろい世界ではありません。

アナログ的な業務をデジタル化するだけなら成長はすぐに滞ってしまいます。

持続的な成長を期待するなら顧客の与信に係る1次データの質と量が極めて重要になってきます。

イー・ギャランティは大株主でもあるNTTデータと組んでIT化の推進、ひいては膨大な1次データを活用した非連続的な飛躍を目指しています。

この2社を比べながら企業活動や企業の持続的成長をモニターすることが、フィンテック企業に対する目利き力を高めることに通じると考えます。

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

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