こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

TBS(9401)について~株主総会で感じた3つの問題点

こんにちは!

 

この記事は、TBS(9401)に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

 

・メディアコンテンツでは稼げない

・不動産も競争激化

 

 

【目次】 

 

株主優待のクオカード】

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1 TBSについて

⑴ 会社概要

みなさんご存じの民放キー局である放送会社です。

企業理念等は以下の通りです。

 

■企業理念

TBSグループは、時代を超えて世界の人々に愛されるコンテンツとサービスを創り出し、多様な価値観が尊重され、希望にあふれる社会の実現に貢献してまいります。

■ブランドプロミス

わたしたちは、さまざまなフィールドで心揺さぶる時を届け、社会を動かす起点を目指します。

最高の”時”で、あすの世界を作る。

 

VISION2030

Phase1:回復と種まき 2021ー2023 営業利益率:5%

Phase2:育成と成長 2024-2026 

Phase3:成長の加速と持続 2027-2030 営業利益率:7%

 

■セグメント()は売上高構成比

・メディアコンテンツ事業(77.9%)

・ライフスタイル事業(17.2%)

・不動産・その他事業(4.9%)

 

⑵ 株主になったきっかけ

10年以上前に、数年間株主をしていました。

東京エレクトロンの好業績が報じられて株価が急上昇するタイミングを見計らって利確した記憶があります。

その後、昨年の秋から今年の春にかけて、放送会社の株価が上昇基調だったのでちょっと興味があり、久しぶりに株主となりました。

⑶ 経営分析

減収減益です。

■収益性

売上高営業利益率:3%

収益性は低いです。

特にメディアコンテンツでは稼げていません。

■安全性

流動比率:221%

・負債比率:38%

・自己日本比率:72%

財務基盤は盤石のようです。

 ■効率性

 ・有形固定資産回転率:1.4

有形固定資産に着目すると不動産で稼いで入るものの、効率性はそれほど良いとは言い難いです。

 

株主総会が開催された第一ホテル】

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2 株主総会

⑴ 株主総会

第94期定時株主総会 2021年6月29日(火) 第一ホテル

 

社長のあいさつで始まりました。

事業報告のビデオに続き、社長からの対処すべき課題が説明されました。

その中で、

・「2030ビジョン」を着実に遂行する

・放送事業とそれ以外の事業の比率を40:60にする

が強調されていました。

会場前2列はスーツを着た似通った属性の男性陣が陣取っており、質疑応答の際の会社の説明の後に機械的な拍手をしていたのが印象的でした。

おそらく、会社のサクラだと思います。

10年前の総会も偏向報道に対する批判は多かったですが、ついに会社はサクラに手を染めたようです。

また、役員の答弁能力もこの10年で著しく劣化したように感じました。

 

■質疑応答

Q.サンデーモーニングをはじめとする偏向報道は何故無くならないのか?

A.偏向報道ではない。

Q.不動産に投資をするとのことだが、現状でも有形固定資産回転率は1.4%と低い。不動産投資の有効性を図る指標を意識しているのか?

A.VISION2030を着実にじっしする。

Q.修正動議:配当の増加と別の取締役の推薦

A.→議案採決の際に秘訣

 

⑵ 株主還元    

■配当

15円

株主優待

株数に応じて

オリジナルクオカード、卓上カレンダー、展覧会、番組等への招待 

 

 【TBSの放送カー】                  

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3 株主としてのコメント

⑴ 株主からの批判に対する開き直り

建設的な株主総会ではありません。

偏向報道に対する株主からの批判と最初から真摯に答える姿勢を欠いた役員の対応で終始していました。

今回、サクラの登場にはびっくりしましたが、株主の側にももう少し柔軟かつ幅広い視点からの問題点の指摘が足りないようにも感じました。

具体的には、以下の2点が挙げられます。

 

⑵ メディアコンテンツで稼げない

セグメント別に会社の稼ぎを分析してみます。

数値は、売上高構成比率 売上高 利益 売上高利益率を示しています。

 

・メディアコンテンツ事業(77.9%) 2537憶 28億 1.1%

・ライフスタイル事業(17.2%) 559憶 2億 0.3%

・不動産・その他事業(4.9%) 159憶 76憶 48%

 

TBSは金額ベースでも利益率でも不動産で儲けている会社です。

もはやメディアコンテンツでは稼げていません。

にもかかわらず、メディアコンテンツを中心としている姿勢は企業価値向上が見込めないことを意味しています。

2030年にメディア事業以外を60%にするとの目標を掲げていますが、経営のスピードが遅いのでは?

 

⑶ 赤坂再開発が収益向上につながるのか?

不動産で利益を上げているTBSですが、有形固定資産回転率でみると1.4%とそれほど高くありません。

効率性から見た経営は上手とは言えないようです。

もっとも、大手不動産会社の有形固定資産回転率は1.0以下が少なくありませんが。

ただし、2028年に向けて赤坂エンタテイメント・シティ計画が本格始動とあります。

赤坂再開発が収益向上につながるのでしょうか?

三菱地所は2027年常盤橋の東京トーチ(日本一高いビル)や丸の内地区の再開発

三井不動産は東京ドームをTOBして周辺開発、帝国ホテルも立替

東急不動産は2027年を目途に渋谷再開発を実施中

・森ビルは虎ノ門地区の再開発を実施中

など、首都圏だけでも様々な魅力的なエリアが次々と誕生する予定です。

赤坂も魅力的な街だと思いますが、集客という点で、他のエリアとの競争に勝てるのか?

そもそも、千代田線1本というアクセスを考えると集客力は限定的です。

しかも、赤坂再開発の事業としての採算性に対する質問にも役員は答えていません。

・メディア事業では稼げない。

・頼りの不動産も、再開発される他のエリアとの競争で苦戦を強いられる。

偏向報道を巡って株主からの批判が収まる兆候が見いだせない。

かつてテレビが元気だったころの遺産で財務を固めていますが、いつまで持つのか?

VISION2030で、ネットフリックスやディズニー、アマゾンプライムなどの世界レベルの競合と戦えますか?

そもそも、目標とする営業利益率が2023年に5%、2030年に7%は低くないですか?

TBSが変化する世界の中で生き残ることが出来るかどうか注視していきます。

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

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