初投稿:2021.7.21、更新日:2022.7.2
こんにちは!
この記事は、JALCO【6625】に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。
・社長のリーダーシップ
・自社株買いか配当か
なお、株主総会に参加した際の内容を追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
★★★
【目次】
【総会会場で配られた水】
1 JALCOについて
⑴ 会社概要
会社四季報では不動産(非住宅)に区分されていて時価総額順位は28/57社(四季報)となっています。
事業は主にパチンコ向けの貸金業と不動産賃貸業の2本柱。
総資産485億円、売上高28億円、時価総額178億円の事業規模です。
PBRは1.2倍と割安水準。
セグメント
・貸金事業
・不動産賃貸事業
から成立。
特に貸金事業(ソーシャルレンディング)に特徴を見出しています。
⑵ 株主になったきっかけ
身近な人が保有していたことで会社を知りました。
社名を見た時にJALの子会社と思っていました。
総会に参加して、思っていた会社と違うことに気づきびっくり!
でも、今は面白い会社と出会えてよかったと思っています。
⑶ 2022年3月期の経営分析
全般として増収減益。
ただし、パチンコホール企業等の優良事業会社を賃借人とする長期保有資産の取得を進めた結果、長期安定的な黒字形状が見込める収益体質を確立したとのことです。
収益性
・売上高総利益率:77%
・売上高営業利益率:59%
著しく高収益です。
安全性
・流動比率:157%
・自己資本比率:29%
昨年に比べて、短期的及び中・長期的な安全性に関する数値は低下しています。
直ちに著しい影響があるとはないと思いますが、気にかけておくべきレベルではあると思います。
効率性
・有形固定資産回転率:0.07
不動産を扱う会社らしく有形固定資産回転率は高くはありません。
販売可能な不動産を多く保有しているという見方もあると思います。
⑷ 2021年3月期の経営分析
増収増益です。
収益性
・売上高営業利益率:47%
高い収益性です。
これほど高い収益性の会社はM&Aか一部の金融関係の会社に限られると思います。
安全性
・流動比率:165%
・負債比率:163%
・自己資本比率:38%
全般として良いというほどではありませんが、問題は認められません。
効率性
・有形固定資産回転率:0.1%
一般的にはいい数値とはいい難いですが、不動産業・物品賃貸業の平均が0.59ということなので、不動産に関する資金の効率性については平均以下ということは言えるでしょう。
なお、会社は保有不動産の入替を継続的に図っていくとしていますので、深刻な懸念事項には至らないと考えます。
2 株主総会等
⑴ 2022年6月の株主総会
第11回定時株主総会 2022年6月25日(土) ベルサール東京日本橋
クーラーボックスから冷えたお水を受付にていただきました。
会場は20名程度で、若い株主が多かったです。
社長からの説明のポイントは以下の通り。
・自社株買い7億円、配当2億円としたが配当を重視することも含めて試行錯誤していく。
・ガイア盛岡の物件の売却を通じた銀行からの信用に獲得について。
・低コスト体制(1ヶ月300万円)により少数精鋭の頭脳営業が可能となる(タクシーチケットではなく給与を高くすることの効果)。
・若手社員の入社とDNAを最大限に発動させる仕事について。
主な質疑応答
Q.株価低迷について
A.悔しい感情をぶつけてくれて嬉しい。
時間効率で考え株主の期待に沿えるよう努める。
Q.人材育成について
A.日本には資産100億円の富裕層が1万人いる。
当社で5〜7年勤務後に独立してそのような富裕層の期待に応えられるような人材に育つことが理想。
一般に人は脳力の5%程度しか使用していない。
よって、知らないことを詰め込み、圧を掛け、化学反応を起こさせ(北斗の拳のように)DNAの最大発現を促すことが大切だと思う。
Q.パチンコホールの目利き力について
A.タクシードラーばーから地元のパチンコの歴史について聞いたり、自分で実際に”打った”感覚を重視している。
Q.決算発表の時期について
A.今後は午後3時から5時に実施する。
Q.今後の展開について
A.パチンコホールの改革についてコンサルフィーを頂けるようなビジネスも考える。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役3名専任の件
・会計監査法人専任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
なお、会場の制約から11半過ぎで散開となりましたが、まだまだ質問したい株主が沢山いたようです。
ちなみに、総会の締めくくりにおいて社長から
「株主総会の朝は明鏡止水の境地」
「欲の塊のような自分の物欲が無くなってきて、JALCOを純粋に良い会社にして恩返しをしたいようになってきた・・・」
「一緒にやっていこうぜ!」
などの力強い発言を聞くことができ、安心しました。
⑵ 2021年6月の株主総会
第10回定時株主総会 2021年6月26日(土) ベルサール東京日本橋
昨年に続き、2回目の参加です。
会場で、子会社の売却に関する書類を頂きました。
スピード感をもって経営に当たっていると感じました。
■課題
・計画未達
・資金調達力の強化
・低コスト体制
・人材確保
質疑応答
Q.JALCOのクレジットについての考えは?
A.金融機関がJALCOの中身を理解したら2.4%の金利が2%下がって0.4%になることも可能。
利益が50億円を超えたら金利は下がると予想。
自己資本800億円以上、格付けの取得を目指す。
Q.取締役2名の所信表明をお願いします。
A.(社長から)取締役と執行役員の違いは、自分の城をもってリスクをとれる人かどうかで決まる。二人との付き合いは長く、危うく騙されるところを助けられたこともある。
(取締役から)夢・ビジョンを持つ社長とともにしっかりと頑張っていきたい!
Q.増資はやめてほしい。
A.これからの会社の成長を考えれば増資はやめられない。
現状の140億円の自己資本では天下は取れないから。
ただし、ファイナンスのやり方は考える(すぐに株式を売却しない人に売るなど)ことでけじめはつける。
IT便利グッズをつくり、キャッシュを出し続けられるようにしていく。
現在は一人当たり1.6憶円の利益だが、これを10億円を目指す。
Q.コロナ禍の影響は?
A.ない。
ありとあらゆるダメになるパターンを想定して経営に当たっている。
不動産賃貸業については、家賃の遅れも値下げもしていない。
Q.クラウドファンディングの規制は今後強まるのか?
A.ソーシャルレンディング関連の社長の力量を考えると、規制はある程度強めたほうがいい。
安心して貸し出せる先はそんなには増えない。
Q.子会社売却の経緯は?
A.当社はコトを売る会社。子会社47人はモノを売る意識が強く、自分の指導力の限界を感じたため売却に至った。
また、今後の会社の成長は100億の剰余金をうまく回せるかにかかっている。総合格闘家が強くなるイメージに近い。
変な人の話を聞きに来る人を幸せにしたいという一念で頑張る!
⑶ 株主還元
配当
一株当たり2円
株主優待
3000株以上の株主に対し、株数に応じたクオカード
自社株買い
7億円規模の自社株買いを実施
【2022年6月の株主総会で頂いた冷えたお茶】
3 株主としてのコメント
⑴ 社長のトークについて
社長が語る夢、ビジョン、本音、現実のトークが魅力です。
「3年間、株価が上昇しないことについて、1日7回ぐらい考え続けている・・・。」
というような独特の言い回しも、他の社長にはない発言です。
また、他の株主の鋭いかつディープな質問も、投資家として参考になることが少なくありません。
ちょっとマニアックすぎるかもしれませんが、金融リテラシーを高める上で、毎年6月下旬の土曜日に行われる株主総会が楽しみです。
なお、収益性の高さやコロナ禍においても増収増益であることから今後の成長も楽しみな企業でもあります。
配当も出るようになりました。
株主優待もあります。
株価も低いところは買い増しを行い、長期で会社の成長をモニターしていきたいと思います。
⑵ 自社株買いか配当か
利益剰余金の配当と自社株買いの割合について社長が言及していました。
社長が”3年株を保有してほしい”と株主に語りかけているので長期投資家に報いるという意味では良い方向性と思います。
ただし、自社株買いにはROEを高めるという効果もあります。
現在のJALCOのROEは6.5%(四季報)と低めであるので、自社株買いが減ることによるROEの低下が懸念されます。
ROEは収益性、回転率、財務レバレッジの積となるので、自社株買いが減少(財務レバレッジの低下)しても収益性や回転率でカバーできるような経営も期待します。
4 まとめ
JALCOについて述べてきました。
ユニークなビジネスモデルと社長のリーダーシップが特徴の会社です。
株価はイマイチですが、黒字体質にもなり配当も出るようになりました。
若い株主が土曜日の株主総会に多く参加し熱い議論を交わす光景を楽しみにしつつ株主を長期で続けたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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