初投稿:2021.7.7、更新日:2022.1.12
こんにちは!
この記事は、スバル(7270)に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。
なお、株主通信を頂いたことをきっかけに、それまでとは異なり、「おやっ?」と思う事がいくつかありました。その点を含め記事を更新しています(更新箇所は青字です)。
・伝統と技術力
・株主通信を読んで感じた不満と不安
【目次】
1 スバルについて
⑴ 会社概要
沿革
もともとは軍用機メーカーとして100年以上も前にスタート。
中島飛行機製作所として、第2次世界大戦中は東洋最大の航空機メーカーでした。
一式戦「隼」などの名機を生産。
経営理念等
・経営理念
”お客様第一”を基軸に「存在感と魅力のある企業」を目指す
・提供価値
安心と愉しさ
・ありたい姿
笑顔を作る会社
セグメント
・自動車事業
・航空宇宙事業
・その他(不動産)
中期経営ビジョン「STEP」
・2018~2025
・「組織風土改革」
・「品質改革」
・「SUBARUづくりの刷新」
資本政策
・主力市場の米国でのシェア5%
・業界高位の営業利益率確保(8%)を目指す
・研究開発支出:1,200億円レベル/年
・ネットキャッシュ2月商分
・自己資本比率は50%以上
・ROEは15%以上を目指す
・連結配当性向:30~50%
⑵ 株主になったきっかけ
自動車会社の中で北米に強くコロナ収束と円安の恩恵を受けられると考えて2021年に株主となりました。
配当も2.5%と比較的高いと考えたためNISA口座で保有。
技術力の高さと安全に対する姿勢も応援しています。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高営業利益率:4%
安全性
・流動比率:227%
・負債比率:91%
・自己資本比率:52%
コロナ禍に直撃されても財務面は問題なさそうです。
効率性
・売上債権回転率:8.28
・棚卸資産回転率:6.75
・有形固定資産回転率:3.37
製造業の平均と比較してもそれほど大きな差は認められませんでした。
お金の効率的な使い方は平均的と言ってよいと思います。
【中島記念公園】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第90期定時株主総会 2021年6月23日(水)ウエスティンホテル東京
参加せず。
⑵ 株主還元
配当
一株につき28円
配当性向は56.1%
3 株主としてのコメント
⑴ 人の命を預かる真面目な会社
招集通知は70頁に及ぶカラー印刷で、写真、図、表を駆使しながら細かいデータもしっかりと盛り込まれており、読み応えがありました。
株主に対する説明責任をしっかりと果そうとする姿勢の表れと思います。
そもそも、車というのは人の命にかかわるもの。
車メーカーとしてとての真面目さが伝わってきました。
特に、中期ビジョンを示すとともに資本政策で数値目標を出している点も評価できます。
⑵ トヨタとの共同開発車ソルテラ(SOLTERRA)
水平対向エンジン等ユニークなエンジンに特徴を持つスバル。
時に心寂しいひとから、脱炭素時代の厳しさを指摘されることもあります。
けれども、しっかりと電気自動車にも取り組んでいます。
トヨタとの共同開発車ソルテラは2022の年央ごろに発売予定とこのと。
トヨタとスバルの”いいとこどり”したEV車、楽しみです。
⑶ 株主通信を読んで感じた不満と不安
2021年の秋に、第91期株主通信(2021.4.1〜2021.9.30)が送付されてきました。
半導体不足を理由に下方修正したことが記載されていました。
一方で、自動車メーカーの中でもスバルは他社に比べて半導体確保については”出遅れている”と報じられています。
”株主通信”にはその”出遅れ”についての原因の究明やそれを取り除いた上での対策いついての言及ががなく精神論・抽象論で終始されていて、説明責任に対する不満を感じています。
もう一つの不満は、
『株主様限定イベントとしたSUBARU技術説明会〜SUBARUの「あんしんと愉しさ」を支える技術開発 その最新情報をお届けします』
についてです。
・何故、1000名限定なのか?
・何故、全株主を対象としないのか?
・何故、2022年3月21日1600〜1700なのか?
・何故、株主通信送付後速やかにイベントを実施できないのか?
・何故、リアル視聴なのか?
・何故、録画配信しないのか?
・1600〜1700に時間を都合できる株主がどれほどいると想定しているのか?
などなど
スバルは技術力は高いと考えますが、半導体で他社に出し抜かれていることから営業力が弱いこと推測されます。
同時に、このイベントから企画力も期待できないと感じました。
一般的に、自動車業界で企業が生き残るにはデザイン力(構想力)とビジネス構築力が不可欠と言われています。
エンジニアこそビジネス感覚が必要とされています。
その意味で、今回の株主限定イベントに不満を感じます。
最後は、株主通信を読んだ不安について。
A2版の1枚が身の裏一面が「SOLTERRA」の広告でした。
株主=消費者ではありません。
株主通信を商品の広告にしてしまってどうするんですか!?
もっと他に、伝えることはないの?
良い商品やサービスは当たり前。
株主が知りたいのは、それを生み出す”仕組み”や会社の成長ストーリーです。
株主へのメッセージとして、ビジネスの仕組みや成長戦略に対する説明の代わりに商品のカタログを掲載出来てしまう経営感覚。
不安です。
4 まとめ
「あらゆる部分最適は全体最適には敵わない」という言葉はよく耳にします。
SUBARUが戦中、一式戦「隼」などの名機を生み出し、東洋最大の航空機メーカーだったことを考えるとその凋落の原因には全体最適の発想の希薄さがあったのだろうと推測します。
それは、高い技術力はあるものの、半導体で出遅れている営業力や、センスのない株主通信に象徴される情報発信力など足を引っ張る部門が見過ごされていると考えるからです。
「ピンチはチャンス」、この厳しい環境をうまく捉えより広い視点を持って全体最適を目指す企業たることを期待します。
お読み頂き、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #スバル #SUBARU #ソルテラ