こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

デンカ(4061)について~中期経営計画と新社長について考える

こんにちは!

 

この記事は、デンカ(4061)に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

 

・B to B 企業と認知度

・中期経営計画と新社長

 

 

【目次】 

 

 

 

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1 デンカについて

⑴ 会社概要

化学の会社です。

特殊合成ゴムや機能樹脂などを生産しており、電子先端分野が急成長中。

コロナ禍において、ワクチンや検査試薬なども手掛けています。

 

企業理念(The Denka Value

化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造(つくる)ことで、社会発展に貢献する企業となる

 

■3つの成長ビジョン

 スペシャリティーの融合体」

 「持続的成長」

 「健全な成長」

 

■5か年の経営計画「Denka Vakue‐Up」

 2つの成長戦略

 「事業ポートフォリオの変革」

 「革新的プロセスの導入」

 

■部門

主に下記6部門から構成されています。

エラストマー・機能樹脂部門

・インフラ・ソリューション部門

・電子・先端プロダクツ部門

・生活・環境プロダクツ部門

・ライフイノベーション部門

・その他部門

 

⑵ 株主になったきっかけ

昨年のコロナ禍においてアビガンの原料を製造しているということでこの会社を知りました。

応援する意味でNISA口座で購入しました。

 

⑶ 経営分析

減収増益です。

固定費の削減等、頑張ったとのこと。

 ■収益性

売上高営業利益率:10%

老舗企業ですが、高い成長性を有しています。

 

■安全性

流動比率:129%

・負債比率:95%

自己資本比率:51%

創業以来、100年以上生き残っているだけあり、良好な財務状況だと思います。

 

■効率性

・有形固定資産回転率:1.4

投資効率の代表として有形固定資産を取り上げましたが、それほど高くはありません。

日本橋の綺麗なオフィス等にお金をかけた割には、売上がそこまで追いついていないと見なすことが出来ます。

 

株主総会会場となった日本橋三井ホール

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2 株主総会等 

⑴ 株主総会

第162回定時株主総会 2021年6月22日(火) 日本橋三井ホール

 

社長がこの春に交代したばかりとうい事で緊張気味でした。

また、5か年の経営計画「Denka Vakue‐Up」をしっかり守ることが重要であるということを社長が強調されていました。

ある意味、自分を社長に指名してくれた会長に気を遣っているようにも見えてしまいました。

 

主な質疑応答は下記の通り

Q.カーボンニュートラル(2030年に50%削減、2050年に実質ゼロ)をどのように実現するのか?

A.①北陸電力のように火力発電所の高効率化を図る。

 ②CO₂の固体化技術にチャレンジする。

 ③CO₂ポートフォリオの変革を図る。

Q.会社の成長性や発展性を信じているが、6月3日に株価が急落した。対策は?

A.事業計画を着実に達成していくことで市場からも評価されると考える。

Q.B to Bの企業として企業価値向上に注力する方向性は理解したが、B to Cの分野にも注力して認知度を高め、企業存続に努めることも必要ではないか?

A.B to Cの分野では”コロナ”迅速診断キッドを通じて一般消費者にアピールを継続する。

Q.積極的なアピールを通じて株価向上に努めてほしい。

A.貴重な意見として承った。

 

議案

・剰余金処分の件

・取締役選任の件

・監査当委員会の取締役選任の件

承認

 

拍手にて閉会

 

⑵ 株主還元

■配当

期末配当は1株につき65円、年間125円

配当性向は47%

安定した配当はありがたいです。

 

株主優待

ヤフーファイナンスでは紹介されていませんが

URUOIというスキンケア商品の株主優待販売券が送られてきました。

悪くない商品だとは思いますが、今の状態では中途半端

デンカコスメティクスが中核となってアイデアを絞り、例えば株主に対してサンプル品を付けるなどして、ほかの企業並みのアピールをした方がいいと思います。

                     

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3 株主としてのコメント

⑴ B to B企業の認知度向上

 B to B企業の中には個人を対象とした広告は考えていないと割り切るところもあります。

デンカの場合もB to B事業が収益の大きな柱ですが、それでも対処すべき課題の中に、認知度の向上が謳われています。

上手くいっているか否かは別として、100年以上続く企業として認知度の大切さを認識していることはさすがだと思いました。

目先の収益にこだわるあまり、認知度向上にカギを握るB to C事業の安易なリストラをしないことを願っています。

 

⑵ 中期経営計画と新社長 

その他に気になったこととして2つ。

一つ目は総会会場の前で、米国におけるデンカの子会社が環境に悪いことをしているとビラを配ったり垂れ幕を掲げている活動家がいたことです。

どのような集団なのか明らかにしていない人達の主張をそのまま鵜呑みにするわけにはいきませんが、問題があるなら早期に断固とした対応をした方がいいと感じています。

 

もう一つは、コロナ禍とその収束など、大きく環境化する中で柔軟な対応が遅れる懸念

何を言っているのかというと、交代した新社長が会長に恩義を強く感じるあまり、会長が策定に深くかかわった中期経営計画の見直しに躊躇することで、劇的に変化する環境に対応できないという事態に陥るのではないかという懸念です。

前社長にとって一番面白くないことは、それまで自分が頑張ったことやその方向性が新社長によって否定されることです。

それを防ぐためには、後任たる新社長に中期経営計画を守らせることが有効となります。

このことは珍しいことではなく、多くの会社において行われていることです。

もちろん、新社長が実力を発揮するまでは”態勢の円滑な継承”ということで中期経営計画を遵守することはとても重要なことであることには異論はありません。

けれども、例えば、自分の持株会社の中にブレインパッド(3655)という会社があり、新社長が会長が策定した期経営計画をコロナ禍において見直すことが出来ず、結果として業績が低迷しているという事例があります。

そして、環境の変化が速い時には同じような現実に直面している会社も少なくないのではと危惧しています。

その一方で、コロワイド(7616)のように、何かと世間から注目を浴びる蔵人金男会長に対してもあまり気兼ねせず、大戸屋買収をほぼ自分ひとりの力で成し遂げた野尻社長のようなケースも有ります(蔵人金男会長は、大戸屋買収において大戸屋経営陣と顔を合わせたことも無く、全て事後報告だったと明言してました。)。

 

デンカの場合も緊張気味の社長のご様子から一部そのような雰囲気を感じました。

よって、新社長に対しては中期経営計画を踏まえつつも、会長との意思疎通を密にしつつ、自分の権限で対応できるところは時代の変化をとらえながら柔軟に対応する勇気ある経営を期待します。

コロナ禍で困っている人を優れた技術を駆使して助けている会社です。

これからも応援していきたいと思います。

 

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

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