初投稿:2021.4.4、更新日:2022.2.7、2022.4.18、2023.4.14
こんにちは!
この記事は、ペッパーフードサービス【3053】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、株主総会招集通知を読んだ感想をまとめ、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・他の外食産業(グローバルダイニング、コロワイド)との比較
【目次】
【Prime42(店舗)が入居する汐留シティーセンター】
1 ペッパーフードサービスについて
⑴ 会社概要
いきなりステーキを展開する外食企業です。
継続前提に注意疑義がついていますが、四季報では
「大量閉店による採算改善実り営業益顔出す。」
とあり、希望の光が見えてきました。
また、送付されてきたビジネスポートからは
経営理念
「お客様の笑顔・お取引先の笑顔・皆が喜ぶ私の仕事・地域社会も豊かにします」
のもと
・コンプライアンス重視の経営
・食の安心・安全を優先
・お客様の喜びを自分の喜びとする
をモットーとしているとこのと。
⑵ 株主となったきっかけ
沖縄に旅行した際、ライカムというショッピングセンターでペッパーフードサービス系列の牛タンを食べた際、とても美味しかったことがきっかけです。
投資家として、いきなりステーキがいきなりブレーキとなったことは承知しています。そして、財務的に厳しい(流動負債>流動資産)ことも考慮しています。
けれども、
・美味しいお肉
・経営不振に陥った原因に対する好奇心
・株価V字回復への可能性
・株価が安い
などの理由を考え併せた結果、株式を購入するに至りました。
⑶ 2022年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:5%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):営業赤字
粗利率が昨年と比べて大幅に低下しています。
原価高騰を意味するものですが、ウクライナ紛争や円安の影響と考えます。
ただし、外食産業はみな同じ厳しい環境にさらされているので、その中でもコスト削減の努力が数値に現れているように感じます。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):107%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):21%
厳しい状況が続いており、昨年よりも安全性は低下しています。
効率性
・有形固定資産回転率:13.36
有形固定資産回転率は昨年よりも向上しています。
収益に結びつかない有形固定資産を売却したものと推察します。
この調子で、効率的経営に努めることを期待します。
⑷ 2021年12月期の経営分析
営業赤字ですが、2億7400万円の”コロナ協力金”を受け取ることで黒字となっています。
収益性
・売上高総利益率:47%
・売上高営業利益率:営業赤字
飲食店の原価率は30%、寿司の場合は厳しくて50%と言われています。
ペッパーフードサービスの場合も原価率約5割。
消費者としてはいい素材のものを食べられるありがたさはありますが、売り手としては大変だと思います。
売上高の大幅低下に伴う営業赤字であることも考え合わせて、更なる奮起が必要だと考えます。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):125%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):30
短期的にも中・長期的にも安全性については厳しい数値となっています。
借入金の返済等の資金繰りに懸念が生じており、「継続企業の前提に重要が疑義を生じさせるような事象又は状況(GC注記)」が存在しています。
会社が提示している対策は下記の通りです
●店舗の事情に応じたメニューの変更による収益改善及びコスト(主に人件費)削減
●金融機関等との緊密な連携
●退店の推進(2021年12月31日現在、125店退店完了)
●新株予約権の発行による資金調達
効率性
・有形固定資産回転率:6.33
サービス業の平均1.67に比べると良好といえるかもしれません。
内訳は「建物」が大半です。
退店も進んでいることから効率化はある程度は達成していると考えます。
2 株主総会等
⑴ 2023年3月の株主総会
第38期定時株主総会 2023年3月30日(木) ホテルイースト21東京
都合が付かなくて参加できず。
報告事項
・事業報告及び計算書類報告の件
⑵ 2022年3月の株主総会
第37期定時株主総会 2022年3月29日(火) ホテルイースト21東京
都合がつかなくて参加できず。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役9名選任の件
・監査役2名選任の件
取締役を1名追加して体制の拡充を図ろうとする姿勢は評価できます。
コロナ禍のピンチをチャンスに変えることを願っています。
⑶ 2021年3月の株主総会
第36期 2021年3月25日(木) ホテルイースト21東京
広い会場で、数十人の株主が参加。
ソーシャルディスタンスを確保するなど、コロナ対策もしっかりとされていました。
質疑応答の際、名古屋から参加している株主2人がいちばん美味しいステーキを提供してくれる会社を応援している旨の発言が印象に残りました。
質疑応答
Q.GC注記(継続企業の前提に対する疑義)を外すための施策は?
A.キャッシュに留意しつつ中期経営計画を着実に実行していく。
Q.名古屋から来た。他社に比べても、ステーキは一番おいしい。頑張れ!
A.ありがとうございます。勇気を頂きました!
Q.新たなメニューは考えているか?
A.今は、既存のメニュー(厚切りステーキオーダーカット)の大幅値引きに注力していく。
Q.債務超過ではないか?
Q.ペッパーランチの事業譲渡に関連して関連特許(電磁調理器)の扱いは?
A.共同特許としており、支障はない。
Q.キッチンカーの売り上げについの情報開示は?
A.いまは、まだまだ出せる数字ではない。誇れる数字になってから公開したい。
決議事項は拍手をもって承認され、滞りなく総会は終了しました。
事業戦略
その後、今後の事業戦略の説明がなされました。
ほぼ全員が、総会に引き続き事業戦略にも参加されていた様子でした。
ポイントは2つ。
・オーダーカットメニューの値引き販売!
3月22日~4月30日、全国10店舗限定で
・リブロースステーキ
・サーロインステーキ
・ヒレステーキ
が割引価格で食べられます。
・肉マイレージの改善
10回ステーキを食べたら1回無料とするなど・・・。
⑷ 株主還元について
配当
2019年12月から無配です。
株主優待
なし
12月末日及び6月末日に100株以上保有する株主に対して保有株数に応じたお食事件または自社販売商品がいただけます。
【株主優待の食事券】
3 株主としてのコメント
⑴ 店頭にて
早速、渋谷に行った帰りに渋谷店に寄ってみました。
【いきなりステーキ渋谷店】
【ヒレステーキ200gを注文】
思った通り、美味しかったです。
事前にアプリに入っておりりさっそく肉マイレージも加算。
今後もちょくちょくいきなりステーキを利用することになりそうです。
店舗同士のカニバリゼーションを解消しつつ、原点に回帰し、上記2つの施策で盛り上げていく。
その背景には、
「値下げして、客単価をあげる!」
ロジックがあるとのことでした。
また、汐留のPrime42という系列店の価格を見直したことから、素晴らしい眺望とともに料理を楽しんで下さいとのPRもありました。
汐留に行った際に、実際足を運んでみました。
ランチとはいえ、場所を考えるとリーズナブルな価格だと思います。
【汐留のPRIME 42にて】
【プライム42のランチ】
⑵ 株式の保有方針
長期保有、買い増し(200株)を考えています。
それは、会社の復活の可能性があり、その際、株価の大幅上昇が期待できるからです。
(もちろん、逆に大幅下落もありますが。)
そのように感じた理由は2つ。
・美味しいステーキという主力商品を持つ強み
ライバル店に比べ、ステーキの美味しさはやはり抜きんでていると今回、自分でも確認することが出来ました。
アフターコロナの時代、美味しいステーキを食べたいお客さんはたくさんいると思います。
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、美味しいステーキを食べたい人にとってはなくなってしまったら困る会社のように思えました。
直観です。
そのことが、復活する考えた理由のひとつ。
・カニバリゼーション(共食い)の解消
いきなりステーキがいきなりブレーキとなったのは、拡大した店舗同士の競合と言われています。
不振となった原因が分かっているのでそれを取り除けば、再度、発展していくことは可能です。
問題は、真の原因は何かということ。
カニバリゼーションは真の原因により生じた結果のひとつではないかと考えています。
名古屋からの株主が発言していましたが、社長・創業者である父と副社長(財務担当)である息子に言及していました。
「会社の復活は、息子さんにかかっています。頑固なお父さんを説得するのは大変だと思いますが、頑張ってください!」
そのエールが”深い意味で”すべてを物語っていると感じました。
その時の、副社長である息子さんの固い表情が印象的でした。
そう考えると、同じくレストランを展開するコロワイドが、創業者が会長になり、社長に外部の人を添えて、息子が取締にしている経営体制の有効性が伺えます。
多くの企業が直面する事業承継の在り方を考える上でとても勉強になります。
・GC注記企業の復活
・美味しいステーキ
・創業者からのバトンタッチ
・コロナ禍からの外食産業のリバウンド
など、注目点は盛りだくさんです。
最悪の場合を覚悟の上、長い目で会社を応援していきたいと思います。
⑶ GC注記をめぐるグローバルダイニングとの比較
コロナ禍が直撃した外食産業の中には継続企業の前提に関する疑義(GC注記)がついた会社も少なくありません。
自分の持株の中では、ペッパーフードサービスとグローバルダイニング等にGC注記がつきました。
けれども、アフターコロナの現在、ペッパーフードサービスは依然としてGC注記がついたままなのに、グローバルダイニングはGC注記が外れて黒字転換しています。
その明暗を分けた違いは何なのか?
自分の中では戦い方の違いがあるのではないかと考えています。
・ぺ:環境が良い時に一生懸命戦う(ブームに乗って店舗を拡大)
・グ:環境が悪い時に一生懸命戦う(コロナ禍の時短要請をめぐり東京都を提訴)
グローバルダイニングは生き残るために必死で考え、コロナ禍の時短要請に応じることなく営業を続け、東京都を訴えるまでして筋を通しました。
そのぐらいの腰を据えた経営がピンチをチャンスに変えることに通じたのだと考えます。
もちろん、ペッパーフードサービスも手をこまねいていたわけではありません。
ただし、その覚悟の違いが明暗を分けたように思えてしまいます。
⑷ 優待廃止や経営陣の交代をめぐるコロワイドとの比較
コロナ禍を通じる外食産業の中でも株主優待の扱いにも差異がありまし。
年間4万円の食事券がもらえるコロワイドは、コロナ禍の最初の年は、何と1万円も金額をアップさせて年間5万円としました(現在は、4万円)。
これに対して、ペッパーフードサービスも粘り続けていましたが、とうとう2022年の夏に株主優待廃止となってしまいました。
その結果、株価は暴落して底ばい状態。
併せて、社長も経営責任を取る形で辞任。
経営責任の中でも最も重いのは株主優待の廃止ではないかと考えます。
ラックランドのように3期連続の営業赤字でも、株価が安定している会社は株主優待を通じた株主からの支持があるおかげ。
ペッパーフードサービスには最後まで株主優待を維持してほしかったです。
また、社長が前社長の息子さんに交代されました。
コロワイドの場合も創業者(会長)に息子さん(子会社の社長)がいますが、社長は外部の人材(元証券会社勤務)を登用しています。
結果的にはコロワイドは2期連続の赤字でしたが3期目(22年3月期)に黒字転換。
そのような点で、経営陣の層の厚さが会社の業績を大きく左右したものと考えます。
⑸ 株主優待の変更について(紙からバリューカードへ)
300株保有者に対しては3,000円分の食事券がいただけます。
前回までは紙で頂いていました。
今回は下の写真のようなバリューカードに変更されています。
なぜ、紙からバリューカードへ変更されたのでしょうか?
推測ですが、転売防止ではないかと思います。
紙の場合、見ただけで商品価値が確実なので高値で売買されがちです。
けれども、バリューカードの場合は、万が一利用されてていてもチケットショップでは見抜けない場合があります。
その見た目だけで商品価値を判断しにくいリスクを考えると価格は低めとなります。
そのことを通じて、株主の売却防止につながると推測しています。
自分の場合、株主優待を転売すること基本ありませんので、紙よりもコンパクトにまとまったバリューカードの恩恵に素直に預かりたいと思います。
【2022年4月に配送された株主優待カード】
【順調なキッチンカー@有明ガーデン】
4 まとめ
いきなりステーキを展開するペッパーフードサービスについて述べてきました。
2年前の記述については敢えて見え消しとし、最新の記述は青で記載しています。
当初は応援していましたが、株主優待廃止、社長の交代、GC注記の継続という状況の変化を踏まえて現在は”撤退”しています。
コロナ禍という躓きから立ち直る会社とそうでない会社の違いに思いを馳せつつ、当社が立ち直ることを祈りながら距離を置いて見守っていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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