こんにちは!
こげぱんです。
この記事は、大塚家具の株式に関心のある方に対して、個人投資家としての所感をまとめたものです。
【目次】
1 大塚家具について
⑴ 会社概要
⑵ 株主になったきっかけと株価が下がる3つの要因
⑶ 経営分析
2 株主還元等
⑴ 配当
⑵ 株主優待
⑶ 株主総会のお土産
3 株主としてのコメント
⑴ 2020年株主総会の様子
⑵ 社長の経営手腕
⑶ 今後の方針
1 大塚家具 について
⑴ 会社概要
総合家具小売りの大手。高級家具や海外の有名な家具の国内独占権等を有し輸入品にも強みがあります。
現社長(娘)と前社長(父)との間の”お家騒動”とともに、数年前から経営危機も取り上げられました。
現在はヤマダ電機と業務提携、資本提携をしたため、赤字は続いていますが経営危機はひとまず遠のいたと考えています。
⑵ 株主になったきっかけと株価が下がる3つの要因
2016年12月にNISA口座の枠が余っていたため、値段が手ごろで、配当利回りが良くかつ決算期が近い銘柄をスクリーニングしたところ、大塚家具が一番にリストアップされました。
当時、12月決算で配当利回りが6%程度だったこと、マスコミでちょくちょく話題となっていたことなどを考え併せて一株1275円で購入しました。
その後の株価の下落が続き、現在は一株152円になってしまいました。
株価が下がる要因は大きく3つあります。
①不祥事、②業績の不振、③将来への成長期待の剥落
大塚家具はこの3大要因がすべて当てはまりました。
①不祥事:父娘間の確執と経営資源や顧客をめぐる混乱
②業績の不振:大塚家具の商品が売れない!
③将来への成長期待の剥落:ネットショッピングへの完全な出遅れ
これらの要因により、大塚家具は4年連続の赤字を継続しています。
ちなみに、自分の持株のひとつにランドという不動産会社がありますが、こちらは過去に8年連続の赤字から脱出して現在は黒字化しています。
というか、当時の新興不動産会社はリーマンショックによりほぼ壊滅した中で、何とか生き残った会社のひとつがこのランドという会社です。
話がそれました。
大塚家具の経営分析です。
⑶ 経営分析
・収益性
20年4月期の赤字は77億円。
4年連続でしかも今期の赤字額は過去最大。
ヤマダ電機との提携による売り上げアップへの相乗効果もあるかもしれませんが、その兆候が表れるのはこれからのことで、状況を注意深く見る必要があります。
また、社長はリストラがひと段落ついたと言っていますが、販管費の金額がまだまだ多いように思います。
当然、原材料費と販管費を上回る売り上げを計上しないと黒字化にはならないわけですが、そんなにうまいこと業績が改善できるものなのでしょうか?
証券会社の企業分析でも成長性が0と評価されいる(いない)ところもあります。
収益性については改善までもう少し時間を要すると考えます。
・安全性
流動比率291%(目安として200%以上が安全)
負債比率44%(目安として100%以下が安全)
自己資本比率は70%(目安として30%以上が安全)
貸借対照表の中の「繰越利益剰余金」の項目は会社がこれまで稼ぎ出した利益が計上される項目ですが、その金額が約マイナス100億円となっています。
そして、その上として「別途積立金」としてプラス110億円が計上されています。
ヤマダ電機との資本提携により、当面は安全性に問題はなさそうです。
・効率性
流動資産(約138憶円)の項目で一番金額が大きいのは商品(約77億円)で、商品が売れ残っていることが明らかとなっています。
棚卸資産回転率も4.5倍程度であり、小売業の平均13.5倍には遠く及びません。
商品を売ることが何といっても先決です!
2 株主還元等
⑴ 配当
今期も無配です。
⑵ 株主優待
100株以上 継続保有期間が6カ月以上:お買い物割引券 5%OFF 1枚
3年以上:お買い物割引券 8%OFF 1枚
1000株以上 継続保有期間 6カ月以上:お買い物割引券 7%OFF 1枚
3年以上:お買い物割引券 10%OFF 1枚
⑶ 株主総会のお土産
なし
ただし、お店でもあまりお目にかかることのない手のひらサイズのエビアンを帰りに頂きました。
3 株主としてのコメント
⑴ 2020年株主総会の様子
2020年7月30日(木) 東京ファッションビル西館2階 TFTホール500で行われました。
総会に出席するのは2年ぶり2回目。
過去の総会では会社存続の見通しが立たず、悲壮感があったように記憶しています。
どちらかと言えば今回の総会では手厳しい質問やコメントが続く中でも、倒産の危機が遠のいたためか(ヤマダ家具になる恐れはありますが)前向きな提言も少なくありませんでした。
今後の経営方針については
・リアル→バーチャル
・BtoC→BtoB
・国内→海外
をちょっと不安もありますが新たな3本柱として取り組むとのこと。
今後の成長ストーリーとしては
・ヤマダ電機との提携によって真のトータルサポート(家(新築、リフォーム)、家具、家電)が実現できる。
・コロナ禍に対応したデジタル化の推進
をあげていました。
方向性としては正しいと思いますが、その方向にどれだけ前進してゆけるかが勝負だと思います。
自分の経験上、総会終了時に自然と拍手が沸き上がる会社はいい会社だというものがあります。
大塚家具も総会終了時に、ヤマダ電機からの新取締役の紹介等を含め、節目節目で拍手が沸き上がったことは、悪くない総会だったという印象を持ちました。
⑵ 社長の経営手腕
大塚社長については会社の赤字とマスコミからのバッシングが続いているにもかかわらず社長の座を譲らないことから悪いイメージが先行しているように思います。
けれども、この人の経営上の最大の問題は社員に対して優しすぎるのではないかと最近考え始めています。
その根拠を2つ挙げます。
一つ目は、販管費の多さ。
大塚家具の売上高総利益は160億円、利益率は46%とそれほど悪くありません。
けれども販管費(従業員の給与等)が236億円もあります。
稼げていないにもかかわらず社員の給与はそれほど下がってないと考えます(平均年収442万円)。
二つ目は、デジタル化に対応した社員の育成の遅れ
今後はデジタル化を中心としていくにも関わらず、社員に対する指示としては、”習うより慣れろ”、”できることから始めなさい”ということで、ホームページに写真を掲載したり、チャットを通じた接客程度しか要求していません。
Webマーケティングは会社の成長を、非連続的に、飛躍させる力を秘めています。
もっと、WebマーケティングやWebライティングを中心とした本格的なデジタル化への対応を追求していくのかと思ったら、社員の自主的なスキルアップに任せているだけで、正直、拍子抜けしていしまいました。
社長のデジタル化への本気度が良く分かりません。
『沈黙のWebマーケティング』という本の中で、家具屋さんを例に挙げてWebマーケティングにより会社の復活を遂げる姿が描かれていましたが、大塚社長の頭の中には、そのようなストーリーはまだ描けていないようです。
給料を下げない、ICTへのスキルアップを強く求めないという、表面的な優しさが社長の経営手腕の課題のひとつではないかというように思えてなりません。
⑵ 今後の方針
NISA口座で保有していることから、来年中には売却を考えています。
そのまま特定口座へ移行すれば、控除された配当に対する税金が再び徴収されます。
それは、あまり気持ちの良いものではありません。
その後、再び保有するかどうかは今は決めていません。
けれども、同じように”3大要因”により大きく下げた後に、その要因を克服しつつ株価が上昇に転じている会社もあります。
大塚家具も長い時間軸で考えれば株価の値上がりが期待できないわけではありません。
社長が冷徹さを伴った合理的な経営に徹すれば、長い時間がかかるかもしれませんが黒字化のみならず、大きく飛躍する可能性もあると思います。
今後の展開に期待します。
おつきあいいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。