こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

三越伊勢丹ホールディングス【3099】〜株主総会雑感(順調)

初投稿:2021.10.8、更新日:2021.12.21、2022.7.、2023.7.11

こんにちは!

この記事は、三越伊勢丹ホールディングス【3099】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年の株主総会の内容(質疑応答を除く)を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・V字回復の業績

・ビジョン・戦略の良さ

★★★★★

【目次】 

【2022年6月の株主総会の会場となったヒルトン東京お台場】 

                    

1 三越伊勢丹ホールディングスについて

⑴ 会社概要

ご存じの通り、三越伊勢丹を傘下に持つ百貨店の会社です。

売上高4874億円、総資産時1.2兆円、時価総額5759億円の事業規模。

PBRは1.01倍で前期よりも向上&1倍割れ回復!

企業理念等 

・私達の考え方

 人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ

 変化せよ。

 1.データが自分を作る。

 2.時代より先に変わろう。

 3.他者が私を新しくする。

 be a newone

ちょっと、抽象的な印象を感じます。

社員さんはこの考え方でどうやって、同じ方向にベクトルをそろえて力を合わせているのか?気になります。

セグメント(売上高構成比)

・百貨店業(85.8%)

・クレジット・金融・友の会業(3.7%)

・不動産業(3.7%)

・その他(7.3%)

ざっくりと大丸や松坂屋を傘下に持つJFRと比較すると、

・百貨店業・・・三越伊勢丹:JFR=8割超:5割弱

・不動産業・・・三越伊勢丹:JFR=1割弱:5割弱(パルコも不動産業と見なす)

という違いが際立っています。

あくまで、百貨店業を中心に事業を展開する三越伊勢丹HDと百貨店業と不動産業を中心にコングロマリット化を推進するJFRの今後の展開に注目しています。

⑵ 株主になったきっかけ

10年以上も前に株主優待目的で株式を取得しました。

子供の学校の制服BOSEのスピーカーなどの高額商品が1割引きで買えて助かっています。

もちろん、デパ地下での買い物でも大助かりです。

コロナ禍も収束に向かい含み益状態です。

”元は引けている”と思いますので今後もホールド予定です。

⑶ 2023年3月期の経営分析

新中期経営計画の初年度は売上高、営業利益ともに当初計画を大幅に上回ったとのことです。

V字回復と言っても良いかもしれません。

収益性

・売上高総利益率:59%

売上高営業利益率:6%

粗利率は前期と同レベルですが、営業利益率が大きく向上しました。

今後の収益性拡大に期待します。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):71%

自己資本比率(30%以上が望ましい):45%

短期的及び中・長期的な安定性は前期とほぼかわっていません。

おそらく、財務的にはこの辺りで良いと経営陣は考えているのかもしれません。

ただし、金利が上昇した時の借入金の返済額の影響など、少し気になります。

効率性

・有形固定資産回転率:0.69

昨年よりも若干上昇しています。

設備投資で203億円投資していますが、それでも回転率が向上しているというのは売り上げがそれ以上に伸びたと推察します。

⑷ 2022年3月期の経営分析

減収にもかかわらず、2期連続の赤字からの黒字化を達成。

会社四季報でも【急回復】という見出しが出ています。

収益性

・売上高総利益率:58%

売上高営業利益率:1%

まず、2期連続の赤字からの脱却ということで評価されると思います。

また、原価が著しく低下している点も注目です。

まだまだ収益性は高くはありませんが、今後の回復に期待します。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):69%

自己資本比率(30%以上が望ましい):44%

前期よりも、短期的及び中・長期的な安定性は若干悪い数値となっています。

効率性

・有形固定資産回転率:0.53

昨年よりも低下しています。

それは有形固定資産の減少以上に売上高の低下が著しかったためと判断します。

なお、有形固定資産7000億円の内訳は「土地」5274億円「建物及び構築物」1559億円の順になっており、価値の高い土地・建物等を保有していることが分かります。

⑸ 2021年3月期の経営分析

2期連続の赤字です。

収益性

・売上高総利益率:28%

原価は”それなり”にかかっていますが、販管費で大きくマイナスとなります。

コロナ禍が売り上げにダメージを与えているためと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):75%

自己資本比率(30%以上が望ましい):46%

短期の安全性を見る流動比率には若干の懸念があるレベルです。

効率性 

・有形固定資産回転率:1.15

低いです。

コロナ禍により、都内の一等地等に不動産をもっている良さが活かされていないことが、ここからも分かります。

逆に考えると、コロナ終息ごの活動に期待が持てそうです。

株主総会会場でいただいたオリジナルの天然水】

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第15回定時株主総会 2023年6月20日(火) ヒルトンお台場

参加できず。

アーカイブ配信(質疑応答はカット)を視聴しました。

ビデオに続き、社長から力強い補足説明がありました。

はじめに、下記の環境与件を踏まえた今後の事業展開について。

・インバウンドのV字回復

・富裕層の増加い

・デジタルデバイスによる情報感度の向上

これらを踏まえて、

マスから個へ

という認識の重要性が強調されていました。

その結果、中期経営計画の主要戦略として

・好感度上質戦略

・個客とつながるCRM戦略

・連邦戦略

・まち化(CRE)戦略

を通じて今期は、過去最高の営業利益350億円の達成を目指すとのことでした。

決議事項

IRを通じて下記の事項が承認・可決されたことを確認しました。

・剰余金処分の件

・取締役9名選任の件

コメント

他の百貨店(JFR、丸井等)に比べた三越伊勢丹の特徴は百貨店に経営リソースを集中的に投入しているということだと思います。

JFRは不動産が約50%、丸井はクレジット業務が約90%を占めます。

その意味で、インフレの世の中になりつつあり、高級品が売れるようになってきた昨今は、当社にとって追い風が吹いていると認識しています。

会社のIRを見ても、【事業説明会】三越日本橋本店について というタイトルのPDF資料、動画、質疑応答の一覧が掲載されていました。

当社としても、事業の方向性に手応えを感じていると推察します。

できれば、株主総会における質疑応答の動画配信または文書による要約の掲載を望みます。

今回は株主総会に参加できませんでしたが、結論としては

当社の調子は良さそうだ!

と認識しています。

【2023年3月期の株主優待カードと前年のカード】

⑵ 2022年6月の株主総会

第14回定時株主総会 2022年6月27日(月)ヒルトン東京お台場

受付にてオリジナルの天然水を頂きました。

また、会場には数多くの株主が集まっていました。

社長からの事業報告と新しくなった中期経営計画についての熱のこもった説明があった後、審議の時間へ。

主な質疑応答

Q.日本橋三越新宿高島屋を改築する際の歴史的建造物への影響について

A.歴史的建造物はしっかりと守っていく。

Q.ハイタッチ・ハイエンドの方針と個別の店舗展開の整合性について

A.”お客様とつながりたい!”という想いで、外商による富裕層のお客様、アプリによる幅広いお客様とのつながりに注力している。

店舗展開については、一部閉店もあるが場所を移して営業を継続している。

Q.オンラインストアのシステム障害について

A.イベント時のシステム障害をきっかけに再点検を実施している。

ゆっくりと着実にシステム構築を進める。

Q.店舗内のWi-Fiがつながりにくく化粧室の清掃が徹底されていない

A.ご指摘いただいた点についてしっかりと対応する。

Q.エスコヤマの長時間残業や残業代不払等の労働基準法違反について

A.エスコヤマの数千人の従業員の雇用を確保しつつ、調達方針をしっかりと伝達し、労働基準法違反の再発防止に努める。

Q.化粧品販売のルールについて

A.化粧品には事実であれば使える言葉(効能効果)が56個決められている。

反対に、自社で使ってはいけない言葉を210個ピックアップして社員に対して周知を図っている。

一方、SNSの発達によりグレーな表現がネット上に出回っているのが現状。

誤解のない表現の使用に努める。

Q.優待の上限について

A.高島屋はリミッターがないが、当社はスーパーやレストランで利用できる良さがある。

リミッターを外す予定は今の所ない。

Q.駐車料金について

(新宿の小田急は駐車料金が5000円なのに対して、新宿伊勢丹は10000円)

A.状況を見ながら適切に設定している。

Q.”まちづくり”における自社不動産部門活用やディベロッパーとの協業について

A.”まちづくり”についてはコンセプトの発表を含め、慎重かつタイムリに実施していく。

Q.百貨店の科学について

A.百貨店の科学という言葉は、前例踏襲という百貨店の常識を打ち破りたいという社長の想いによる造語である。

改革に期待してほしい。

また、データに基づく経営をするための人材は子会社に存在する。

Q.まちづくりは単独ではできないのでは?

A.まず、自分達でできることから始めることに意味があると考える。

Q.MIカードの申し込み用紙の年収の項目はいらないのでは?

A.貴重なご意見として検討する。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役10名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

ちなみに、社長の

「賛成の方は”何卒”拍手をお願いいたします。」

という何卒という一言が接客業のプロらしく感じられました。

株主総会雑感

百貨店業界では、Fフロントリテーリングが「百貨店と不動産」丸井が「百貨店と金融」というように収益構造の変革を進めています。

これに対して三越伊勢丹は相変わらずの百貨店中心ということで革新性がない会社ではないかと懸念していました。

けれども、今回の総会に参加して、「グループ連邦」、「まちづくり」、「百貨店の科学」など新しいコンセプトを打ち出して社長を筆頭に改革していこうとする取り組みの一端を知ることができました。

その一方で、前例踏襲の旧態依然とした態勢が存在することも現実です。

ならば企業価値向上を願う株主としては、

「そのような改革の兆候をより一層揺るぎない流れとなるよう応援することも必要ではないか?」

という気持ちになりました。

総会会場に足を運んでよかったです。

蛇足ですが、大丸東京店のデパ地下では2022年5月からタイムセール中の株主優待カードの使用が禁止され失望しましたが、銀座三越店は今のところ従来通りでありるので大丸の分も利用させていただいています。

【以前の株主総会の会場となったグランドニッコー東京 台場】

f:id:cogepan20:20210929210951j:plain

⑶ 2021年6月の株主総会

第13回定時株主総会 2021年6月25日(金) グランドニッコー東京 台場

今回は参加できず。

過去に参加した際は、

・お土産を頂けたこと

・株主が消費者としてのクレームをぶつけるような質疑応答が多かった

三越伊勢丹の統合に関すること

についての質問が多かったように記憶しています。

⑷ 株主還元    

配当

一株配当の実績は下記のとおりです。

・2023年3月期:14円

・2022年3月期:10円

・2021年3月期:9円

・2020年3月期:12円

増配基調が続いており嬉しいです。

株主優待

 優待カード(10%割引)

持株数に応じて割引額の上限が変わります。

株主優待カード】

f:id:cogepan20:20211007141541j:plain

3 株主としてのコメント

⑴ 発表された中期経営計画(2022~2024)年について

以下、主要なキーワードを抜粋します。

・長期に目指す姿

 お客様のくらしを豊かにする”特別な”百貨店を中核とした小売りグループ

・基本戦略

 好感度上質消費の拡大・石鹸、最高の顧客体験の提供

・重点戦略

 ”好感度上質”戦略

 ”顧客とつながる”CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)戦略

 ”連邦”戦略

・グループ基盤

・経営基盤

・・・・etc

株主通信とホームページ9頁分を読みましたが、正直、腹落ちするまでには至りませんでした。

コメントは3点ほど。

・動画の活用

中期経営計画について動画で社長に語っていただきたい。

三越伊勢丹YouTubeチャンネルも開設したようですが、専門業者に作らせたようなありきたりのものでなく、社長が社員に対して熱意をもって語るような動画を要望します。

・JFR(大丸松坂屋)に比べると

JFRは百貨店と不動産の2本立てで生き残りを図るという非常に分かりやすくかつ納得感の高い戦略を取っています。

そのために、不動産業であるパルコを完全子会社化しそのノウハウを全社で生かし、セグメント別の売り上げでは、百貨店と不動産がほぼ同額という収益構造を確立しています。

財務や顧客に関するKPIも記載されていましたが、その数値の算定根拠や意味するところも説明が不足しています。

ビフォーアフターのように今までとこれからで何をどう変えていくのかを分かりやすく説明する必要があるように感じます。

自分が今まで調べた結果、

JFR(大丸松坂屋):脱百貨店

三越伊勢丹:百貨店を立て直す

と理解しています。

⑵ 見直し中の中期経営計画について

会社で中期経営経計画を見直しています。

株主総会招集通知の対処祖すべき課題では、

重点戦略①「”好感度上質”戦略」

重点戦略②「個客との”つながり”戦略」

重点戦略③「グループ間連携強化」

が掲載されています。

ここからわかることは、会社は

百貨店として今後も頑張る!

ということです。

JFRがパルコを完全子会社化しその不動産としてのノウハウを活かし、百貨店と不動産の2本柱で生き残りを懸ける経営とは対照的です。

個人的にはJFRの方が良い戦略のような気がします。

けれども、伊勢丹新宿店のような高額なサービスや商品を売ることのできるノウハウを上手に活かせれば、そこに活路を見出すこともできると考えます。

株主として要注目です。

⑶ 総資産、売上高、時価総額から分かること

成長する会社というのは

総資産:売上高:時価総額=1:1:1

と言われています。

三越伊勢丹HDの場合はどうでしょうか?

会社の総資産は、1兆1千億円あります。

これに対して、売上高は8千億円強で、あまり稼げていません。

その結果、時価総額は3千億円弱であり投資家からの評価が低く株価低迷が明らかです。

総資産、売上高、時価総額から分かることは、会社が債権者や投資家から集めた巨額な資産が有効活用されず(売上高の低迷)、投資家の評価低い(時価総額が小さい)という悪い流れとなっていることです。

アフターコロナ時代になりつつあります。

見直された中期経営計画も発表になると思います。

売上高は上昇することが予想されます。

三越伊勢丹HDが生き残るために、その上昇の流れを生き残りのためのより力強いものにできるかどうか?

be a newone

”私達の考え方”がどこまで社内で広く深く浸透しているかが試される時です。

株主として、会社の変革を暖かく見守りたいと思います。

銀座三越前にて】

f:id:cogepan20:20211007141528j:plain                  

4 まとめ

三越伊勢丹ホールディングスについて述べてきました。

百貨店中心の戦略ですが、その中に変革への兆候もあることからしっかりと応援したいと思います。

一方で、百貨店中心であることはアフターコロナにおける消費拡大の恩恵を最も享受し得る可能性もあります。

厳しい状況下で生き残りを模索する各百貨店と共に今後の三越伊勢丹HDの活動を見守りたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #三越伊勢丹ホールディングス #百貨店の科学 #営業利益350億円目標 

  

ユーザーローカル【3984】~株主総会雑感(急騰した株価の急落について)

初投稿:2021.10.4、更新日:2022.9.  、2023.9.22

こんにちは!

この記事は、ユーザーローカル【3984】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年9月期の株主総会についてのコメントを追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・テンバーガーとして死角は無いか?

・何故、IT企業の株価がさえないのか?

【目次】 

株主総会の会場 メルパルク東京

f:id:cogepan20:20210929210428j:plain

                      

1 ユーザーローカルについて

⑴ 会社概要

ビックデータ・AI関連の会社です。

業種はSI・ソフトウエア開発。

売上高32億円、総資産72億円、時価総額299億円の事業規模

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは4.68倍と投資家の評価も高めです。

企業理念等 

⚫️ビジョン

ビックデータ・人工知能で世界を深化させる

⚫️5つのバリュー

1 ユーザーは常に正しい

2 長期的発展

3 規律と遊び

4 One for All

5 ポジティブドリブン

妥当な経営理念だと思います。

ただし、気になるのは社長の中で経営理念とビジョンの区別ができていないこと。

例えば、上記の”ビジョン”が株主総会召集通知の事業報告では”経営理念”に置き換わっています。

ビジョンと経営理念は同じものなのでしょうか?

一般に、

理念→ビジョン→計画

の順に抽象的なものから具体的なものになると言われています。

よって、ビジョンとは理念ほど抽象的でもなく、計画ほど具体的でないものとなります。

そして、その”管理された曖昧さ”であるビジョンがが社員に共有(腹落ち)されることで、様々なアイデアが湧き上がってくるという原動力となると言われます。

当社の場合、中期経営計画もありません。

これでは、社内の知的生産の仕組みがうまくいっているのかどうか分かりません。

もし、優秀な社員がその能力を発揮できずに勤務しているとすれば悲劇です。

セグメント

・データクラウド事業単一セグメント

 ビックデータ・AIを活用したマーケティング分析及び業務支援サービスを開発・提供

・コアプロダクト

User Insight:Webマーケティング支援ツール

 Webサイト訪問者の属性分析を更に迅速化・高度化することで、訪問者ごとにサイト内容が変化するリアルタイムパーソナライゼーションをじつげんし、CVRの向上を図る。

Social Insight:ソーシャルメディア解析ツール

 SNS上でのやり取りを自動化し、マーケティングオートメーションを図る。

サポートチャットボット:人工知能を活用した顧客サポート業務の自動化サービス

 カスタマーサポート等企業受付の自動化

⑵ 株主になったきっかけ

会社を知るきっかけはネットでのテンバーガー候補銘柄としての紹介です。

その後、株価や業績をモニターし続けて2021年に購入。

株価は冴えませんが、長期保有を予定しています。

⑶ 2023年6月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:93%

売上高営業利益率:42%

高収益なビジネスモデルです。

しかも、前期に比べて粗利率が1%、営業利益率が4%改善しています。

安全性

流動比率:781%

自己資本比比率:88%

短期的にも中・長期的にも問題ありません。

資本効率の点からはちょっと勿体無いようにも感じます。

ただし、会社の規模からするとこのくらい自己資本を厚くしておかないといけないのかもしれません。

社長の慎重な経営手腕が反映されていると考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:65.36

IT企業らしく有形固定資産回転率は高めです。

この点では効率的な経営がなされていると考えます。

前期と比べても数値は向上しています。

これは、売上高が増加した一方で、有形固定資産が減少しているからです。

⑷ 2022年6月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:92%

売上高営業利益率:38%

高収益なビジネスモデルです。

しかも、昨年と同様の収益性を維持しています。

安全性

流動比率:817%

自己資本比比率:89%

安全性についても問題ありません。

むしろ、キャッシュリッチ企業として、この豊富なキャッシュをいかに有効活用するかが問われているように思います。

効率性

・有形固定資産回転率:52.54

IT企業らしく有形固定資産回転率は高めです。

昨年の数値との比較から、ほとんど不動産には投資していないと考えられます。

経営分析雑感

経営分析から明らかなように収益性、安全性、効率性共に申し分ありません。

業績も絶好調です。

そして、ユーチューバーの中にはテンバーガー候補と見なす人もいます。

けれども株価は冴えません。

株主として考えた理由は次の通り。

・(2年前の買った時の株価が)割高だった。

・社長が地味で成長に欠かせないビジョンが共有されていない

・そもそも売上高26億円レベルの小さな会社機関投資家の資金が入りにくい。

逆に考えると、株価が上昇するためには多くの方に保有してもらう必要がありますが、社長が地味で、かつIRも積極的ではありません。

これでは投資家は当社に対して関心を持ち得ません。

このことは、貸株していて議決権行使書を得るために貸株を外すことを忘れてしまった自分の失敗談とも一致します。

さらに、スタートアップ企業が大企業に成長するためにはビジョンを多くのステークホルダーと共有することが大切であると、ベストセラー本『ビジョナリー・カンパニー』でも述べられています。

バーチャルオンリー総会をするということは、短期的には経費削減につながるかもしれませんが、中・長期的に会社を応援するコアな株主を育成するにはマイナスなのではないでしょうか?

そのようなことから、

「長期では報われるかもしれないが、短期では冴えない株価が当面続く」

というのが経営分析で得られた雑感です。

 

⑸ 2021年6月期の経営分析

株主総会招集通知記載の計算書類から分析を試みました。

増収増益で素晴らしい経営です。

ROE:14.2%、ROA:11.7%(総資産52憶)

株主資本や総資産を活かし高い利益を上げています。

収益性

・売上高総利益率(40%以上が際立つ競争力):91%(売上高:20億円)

売上高営業利益率(10%以上が優良株):41%

高収益のビジネスモデルです。

安全性

流動比率(200%以上が目安):865%

・負債比率(100%以下が目安):12%

自己資本比率(30%以上が目安):89%

財務基盤も盤石です。

効率性

・有形固定資産回転率:34.56

IT系企業ということで、土地・建物への投資は少なめです。

2 株主総会

⑴ 2023年9月の株主総会

第18回定時株主総会 2023年9月23日(金) バーチャルオンリー総会

社長のアップ画面と役員の画面の2つが配信されていました。

報告のポイントは下記の通り。

・16期連続の増収増益

・前期は過去最高益

・今後もChat GPTを活かした商品に注力する

・新商品の紹介

主な質疑応答

【事前】

Q.当社によるChat GPTの活用について

オープンAI社のChat GPTは汎用であるのに対し、当社の製品は企業独自のニーズに応えるものであり付加価値の高いものである。

Q.株主還元に無関心では?

A.4円配当するとともに、自社株がも検討する。

Q.株価は下落するばり。

A.申し訳ありません。

厳粛に受け止めています。

Q.当社の特許について

A.非公開であるがポイントは3つ。

・自社開発のツールなので継続的な改善が可能(受託生産では困難)

・テクノロジー人材が豊富

・低コスト

Q.個人投資家に不人気なバーチャルオンリー株主総会を来期も続けるのか?

A.来年度以降は未定

Q.無料サービスの趣旨は?

A.理由は3つ。

・新人エンジニアの教育

・大企業だけでなく、中小企業や個人にもAI技術のメリットを提供

・広告効果

【当日】

Q.公募増資について

A.プライム市場残存のため。

需給については一応ロックアップをかけている。

Q.中期経営計画について

A.業界の変化が激しいので計画の開示は考えていない。

Q.Vチューバーランキングの運営について

A.可能性はあるが、今後の具体的な展開については発表できるものはない。

Q.代理店の活用について

A.これまで、顧客の反応を直接確認したいために、直販を実施してきた。

今後は代理店販売も検討する。

Q.人材確保について

A.当社の勤務環境は働き方改革に乗っ取っている。

採用面接を増やしたり、大学の研修室への声かけをしたりして対応している。

福利厚生の充実も図っている。

Q.採用人数について

A.十分獲得できている。

Q.渡辺監査役の兼業の有無について。

A.兼業は実施していない。

米国公認会計士としての知見を活かして職務に精励している。

Q.海外展開について

A.技術に国境は無いが、販売や業務には各国独自の文化がある。

具体的な計画はないが、将来の海外展開の可能性はある。

Q.X(旧ツイッター)での発信の少なさについて

A.顧客企業のこともあり多く発信することはなかったが、今後は拡大に努める。

Q.上場して良かったことは?

A.採用面、営業面でメリットがあったとともに、取引先企業からの高評価を頂けた。

Q.当社の強みは?

A.ツール、データ、改善、売上の好循環である。

Q.来期の業績について

A.これまでと同様の手法で尽力するが、細部はIRや決算発表を参照されたい。

決議事項

・剰余金処分の件

賛成多数で承認・可決されました。

株主総会雑感(何故、急騰した株価が急落したのか?)

急落した株価について、「公募増資の影響」とか、「材料で尽くし(四季報)」などが報じられています。

自分の考えは、急騰した株価に対して多くの株主は

「この高値は長く続かない」

と考えたから売却したのだと思います。

自分もその一人です。

では何故、すぐに株価が急落すると株主は考えたのか?

理由は二つ。

・将来の成長ストーリーがよく見えないから。

これは自分の中では、株主総会における社長の説明に説得力や熱意が感じられなかったことと一致しています。

・売上高40億円規模の会社であり、株価の乱高下は当たり前だから。

16期連続の増収増益と胸を張っても、事業規模は100億円未満の会社。

バリュエーションも高く、何かあれば、何かなくても株価が乱高下するのは”ふつう”のことです。

一方、ちょっと可哀想に感じたのは既存の株主のこと。

会社の企業価値向上を願うような真摯な質問が多かっただけに、株主の純粋な期待を裏切るような株価はちょっと気の毒に感じました。

3年以上株主をしていましたが、買値を株価が上回ったのはわずかに2回ほど。

次の急騰場面が来るまでに年単位の時間を要すると予想します。

資金効率を考えて再び株主になるとしても少し先になりそうです。

⑵ 2021年9月の株主総会

第16期定時株主総会 2021年9月22日(水) ホテルメルパルク東京

参加しました。

社長のあいさつに続いて、プライム市場への移行の報告がありました。

続いて、サポートチャットボットゆうこさんからの事業紹介。

コアプロダクト3製品に加え、カンニング抑止AI」「集中力の可視化」「個人情報保護のためのマスキング処理」「人物分析AI」など時代のニーズに応える画期的な商品が紹介されました。

■質疑応答

Q.事業領域について:会社四季報ではソフトウエア開発企業、招集通知書ではデータクラウド事業、総会の事業紹介ではサポートチャットボット等のAI企業としているが、社長が認識している事業領域(ビジネスドメイン)を教えて欲しい。

A. オンライン上でパッケージソフトを販売して収益を得ているが、パッケージソフトクラウド上のデータに紐づいているのが他社にない強み。

今後は、チャットボット領域でのシェア拡大を目指す。

Q.資本業務提携について:認知度向上について広報という手段をとるとのことだが、資本業務提携というアプローチによる認知度向上、信頼性向上、人材確保の考えはあるのか?

A. 提携という手段は有益と考える。

けれども会社のリソースの関係で、実施するとなると今ではなく将来になる。

■決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役等に対する譲渡制限付き株式の付与のための報酬決定の件

について滞りなく承認されました。

⑶ 株主還元    

配当

1株配当の推移は下記の通りです。

・2023年6月期:4円

・2022年6月期:3円

・2021年6月期:5円 

1円の増配です。

業績は右肩上がりなのに配当が増減する理由がよく分かりません

また、対処すべき課題の中に、

「認知度及びブランド力の向上」を掲げていますが、株主すら大切にしない会社が認知度やブランド力を高めることは難しいのでは?

掲げていることとやっていることがチグハグです。

ひょっとしたら、社長は良いサービスさえ提供すれば業績が伸び会社が成長すると勘違いしているのでは?

もう少し、さまざまなことを考えないと投資家の期待には応えられないと思います。

株主優待

なし

 

f:id:cogepan20:20210929210456j:plain                  

3 株主としてのコメント

⑴ テンバーガー候補として死角は無いか?

2021年の株主総会に出席して感じたテンバーガー候補としての死角について社長と社員の要因別に分析してみました。

・社長

まじめで地味な印象を持ちました。

リスクを抑え上手にここまで経営してきたことが伺えます。

長期的発展というバリューに基づいた結果だと考えます。

けれども、成長には連続的な成長飛躍的(非連続的)成長の2種類がり、この飛躍的成長についての機会損失が生じているのではないかと懸念しています。

既存事業を核としながらも、やり慣れないことへのチャレンジすることも必要です。

同業者のアルベルトの社長は、自動車、保険、携帯とうの大手企業との資本業務提携を通じて過去においてテンバーガーを達成しています。

同じくテンバーガー候補と見なされているビザスクの社長は大規模なM&Aに打って出て株価が大きく上昇中です。

その意味で、社長の”攻め”の姿勢がまだ見えていません。

社長が今後、コンフォートゾーンを抜け出して、チャレンジゾーンにて勝負することが会社のさらなる成長には欠かせないと考えます。

・従業員

従業員数は76名しかいません。

東証1部上場企業でプライム市場への移行が予定されていますが、社員数が少ないと思います。

サービス業の中小企業の定義は

・資本金5000万円以下

・従業員100人以下

のいずれかを満たすことと定義づけられています。

従って、ユーザーローカルは大企業ではなく、中小企業です。

よって、85名の社員(1年で9名の増加)という会社のリソース不足により成長機会の損失が生じる懸念があります。

実際、認知度向上という「対処すべき課題」に対して、「業務提携」の効果を認識しつつも、人数の制限により「広報」という手段しかとり得ないと社長も総会で発言しています。

今はDXに追い風が吹いていますが、いつまでもチャンスは続くとは限りません。

世の中の流れに上手に乗るためにも、社内態勢の拡充を図ることが望ましいと考えます。

⑵ 何故、IT企業の株価がさえないのか?

ユーザーローカル、ブレインパッド、PRKSA等のIT企業の株価がさえません。

どちらかと言えば、乱高下しているような株価推移です。

何故、さえないのか?

IT関連銘柄は旬であり人気がありますが、本当に理解している人が少ないため、握力が弱く、機関投資家の売等の影響をもろに受けているというのが私の見立てです。

9月にユーザーローカルとブレインパッドの株主総会に出席しましたが、出席する株主数は極めて少なかったです。

コロナ禍やブレインパッドの場合はライブ中継という要因があるにしても、二けたに届かない出席者数は残念です。

日本航空JAL)は昨年11月に公募増資したにもかかわらず株価がV字回復しています。

そして、日本航空JAL)の株主総会の出席者数が抽選だったにも関わらず、約500名という大人数であったことを考え併せると、

「株主の会社への強い関心が株価にも良い影響を及ぼす。」

と考えます。

あるいは、将来のIT企業間の過当競争を織り込み始めたのかもしれません。

いずれにしても、株価が同様な動きをすることは要注目です。

4 まとめ

テンバーガー候補としてユーザーローカルを分析しました。

長期的発展を意識した良い経営をしていると考えます。

ただし、懸念点として社長の飛躍的発展(攻め)に対する意識が見えないことや従業員数85名という経営リソースの少なさによる機会損失、そしてIT企業に共通する株主の会社に対する関心の希薄さが気になっています。

そして、社長のビジョンという概念に対する認識、成長ストーリーについての説明などには改善の余地が少なくないと感じました。

そして、今回のChatGPTブームで株価が急騰を利用して利益を確定しています。

3年間長かったです。

しばらくは株主になることはないと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。

投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #ユーザーローカル #バーチャルオンリー株主総会

  

2021年9月の投資のふりかえり~2カ月連続のプラスと持株の見える化について

こんにちは!

 

9月の投資は8月に引き続き好調でした。

菅内閣退陣とコロナ感染者激減のおかげです。

 

・9月の株式投資の評価益は約118万円(本年の評価益は約189万円)

・9月の株式投資では約13万円利確(本年の確定した利益は約115万円)。

 

なお、エビデンスとしてスクリーンショットを掲載していますが、”参考程度”にしていてください。

ご存じの通り、”スクリーンショットはアプリを使えば容易に改ざん”できます。

スクリーンショットで儲けたという話が”事実”であると単純に信じない方が”無難”かと思います。

 

【目次】 

 

パラリンピックのシンボルと自由の女神@お台場】  

f:id:cogepan20:20211001150157j:plain

 

1 株式の売買 

⑴ 売却

GCA 200株

GCATOBに伴う売却(利確)です。

500株のうち、8月に1379円で300株、9月に1395円200株を売却しました。

TOB価格が上がることを経験しました。

⑵ 購入

・サムティ:特定口座で100株

・国土開発:NISA口座で100株

・Kaizen Platform:NISA口座で100株

・丸紅:NISA口座で100株

サムティはこれまで300株をNISA口座で保有していました。

キャピタルゲインインカムゲイン、優待などに恵まれたため、これからも長期で保有したいと考えるようになりました。

そこで、今回NISA期限を意識して特定口座で新たに購入した次第です。

国土開発は、5月決算企業、高配当、スーパー台風被害から国土をによる活躍に期待。

Kaizen Platformは、無配ですが、今後の飛躍的な成長に期待。

丸紅は、高配当かつ総合商社として今後の日本株上昇とともに値上がりする期待。

という理由から購入しました。

まだ、NISA口座の枠があるので、上手に埋めるべく思案中です。

 

【マネーフォワードからの抜粋】

f:id:cogepan20:20211001152546p:plain

 

 今月の株式については、上昇した後、乱高下しています。

上昇した理由は

・相場が良かったため

・売却より購入した株が多かったため

です。

なお、月末に日経平均株価が下落しています。

理由としては

・米国のテーパリング議論とFRBインサイダー取引事案

・9月配当落ちの影響

日経平均採用銘柄の入替(値嵩株採用の影響)

などがあります。

日経平均下落の影響を持株も受けています。

 

2 配当

・ジャパンインベストメントアドバイザー 6,400円(400株)

・ラックランド 1,000円(100株)

・ヒューリック 5,700円(300株)

MonotaRO 1,150円(100株)

・ユーザーローカル 500円(100株)

・コムチュア LibWork円240(200株) 

  合計 14,990円

今月もありがたく配当を頂きました。

成長企業が、一株1円や1.2円でも配当して頂くのは好感が持てます。

 

3 株主優待

9月に届いた主な株主優待は次の通りです。

LibWorkから2000円のクオカードを頂きました。

f:id:cogepan20:20211001153121j:plain

 

4 株主総会

9月に実施された持株の株主総会は以下の3社です。

・ユーザーローカル

・ブレインパッド

・LibWork

このうち、ユーザーローカルとブレインパッドは参加しました。

後日、記事にてアップします。

LibWorkは熊本での開催で不参加。

けれども、事業説明会のライブ配信があり視聴しました。

そのことを踏まえて、同じく記事を投稿する予定です。

 

5 投資信託等(iDeCoを除く)

 長期・積立・分散投資を実施しているのは次の8社です。

積立投資を始めた年月も表示しています。

 

・ウエルスナビ :15万円/月(月5回) 

 2019年10月~:24カ月

セゾン投信:20万円/月(毎月4日、8日)

 2020年2月?~:20カ月

SBI証券で投資信託『ひふみプラス』:万円/週(毎週金曜日)

 2020年6月~:15カ月

SBI証券投資信託『SBI・V・S&P500』:1万円/週(毎週月曜日)

 2021年7月~3か月

さわかみファンド:1万円/月(毎月1日) 

 2020年8月~:14カ月

コモンズ投信:4万円/月(毎月1日) 

 2020年9月~:13カ月

マネックス証券eMAXIS Sim米国株式(S&P500):10万円/月(毎月1日)

  2020年9月~:13ヵ月

楽天証券でiFreeNEXT NASDAQ100インデックス:2万円/月

 2020年12月~:10カ月

コインチェックビットコイン積立:1万円/月 (毎月1日)

 2021年1月~:9カ月

 

現在の積立投資は毎月約63万円です。

 

【マネーフォワードから抜粋】

f:id:cogepan20:20211001153539p:plain

9月の上昇は緩やかでした。

というか、大きく下落する場面もありました。

これは、米国のテーパリングを巡る影響の現れ。

米国株さえ買っておけば大丈夫と慢心してはいけないことと、ドルコスト平均法の有効性を改めて感じています。

 

6 貸株金利 

SBI証券にて貸株をしています。

受け取った金利は下記の通りです。

9月の金利受取額 4,818.88円

7月よりも減少しています。 

持株の中の高金利銘柄の推移

4月→5月→6月→7月→8月→9月の推移は

・サンアスタリスクは8.5%→10.25%→8.75%→7.5%→7.75%→8.25%

ペッパーフードサービスは8.0%→7%→6.25%→3.25%→2.5%→2%

7月→8月

・ニューラルポケットは4%→4%→4%

8月

グローバルダイニングは2.75% →2.25%

サンアスタリスクは相変わらず人気ですね。

高い金利を払ってまでして株を借りて空売りして儲かると考える人が少なくないことを表しています。

大株主が個人だからでしょうか?

いずれにしろ、モニター続けます。

 

7 気づき

8月の投資についての”気づき”は次の2点です。

⑴ 特定口座株の分類

ヤフーファイナンスで持株をモニターしています。

今までは、ざっくりとNISA口座と特定口座の2区分でした。

先月から、特定口座は

・成長株フォルダ

・配当株フォルダ

・優待株フォルダ

の3区分としました。

これにより、自分の持株の状況及び投資スタイルの見える化が進みました。

優待株の損益はプラス20%を超えていました。

その結果、株主となってから10年を超え、根雪のように下値が堅くなっている銘柄による長期投資の有効性に気づかされました。

また、NISA口座も今年買った銘柄は2021年フォルダとして独立させました。

今のところ、今年のNISA口座銘柄はプラス10%を超えており、銘柄選別がそこそこ良かったことが伺えます。

ヤフーファイナンスのフォルダー分けを通じた見える化の推進はおススメです!

⑵ ブログを通じた会社分析の効果

株主総会を通じて、持株会社についての記事をアップし続けています。

定性分析(経営理念、経営戦略)と定量分析(ファイナンス)からのアプローチを心掛けています。

そして分析結果から仮説を持つとともに、実際の会社の事業を観察し検証を積み重ねたことを記事にまとめています。

どこまで、会社の本質に迫れたかは正直、分からない部分が多いですが、楽しみながら調査・分析活動できることはありがたいことです。

ポートフォーリオを入れ替えてパフォーマンス向上にも通じている手応えを感じています。

 

最後に

10月になりました。

今後の株価にとってプラスの材料は、

・緊急事態宣言の解除

衆議院選挙

などがあ挙げられます。

反対にマイナスの材料は

・米国のテーパリング問題、債務上限、FRB人事

・チャイナショック(米中対立、恒大集団デフォルト、電力不足)

などです。

基本的には右肩上がりの上昇を見込みますが、ボラティリティの高い場面もあるでしょう。

”投資においては、先のことは分からない”

そのことを前提として、リスク管理を徹底しつつドルコスト平均法を継続し、荒れる相場と上手に付き合っていきたいと思います。

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。

 

#資産形成 #資産運用 #投資 #株式 #株主総会 #配当 #株主優待 #投資信託 #ロボアドバイザー

  

サンマルクホールディングス【3395】について~20%割引の株主優待カード

初投稿:2021.9.30、更新日:2021.12.17

こんにちは!

この記事は、サンマルクホールディングス【3395】に関心のある方に向けた、株主としてのコメントをまとめたものです。

・20%割引株主優待カードが可能な理由

ドトールとの比較

【目次】 

 

なお、2021年12月に第31期中間事業報告書が届きましたので、会社四季報の最新号と会社HPの情報を追記して更新します(青字が追記した更新部分です)。

●中間事業報告書から

残念ながら業績は芳しくありません。

2期連続赤字となりそうです。

その理由については、

「・・・通常営業が不可能な状態を余技無くされる期間が長期化されました。」との記述から、不可抗力であったことが強調されています。

また、プレミアムなメニュー展開、業態変更・退店、人件費や賃料の固定圧縮の継続に努めているとのことでした。

会社四季報(最新号)から

【一転赤字】とあり、その要因として賃料の重さが指摘されています。

日レス・ドトールの会長の著書の中に、

「良い商品やサービスは当たり前。カフェ・レストラン業はある意味立地稼業。不動産や賃料を少しでも有利な状態にするのがプロの経営。」

のような記述があったと記憶しています。

コロナ禍のような厳しい状況下では、守りに強いプロとしての経営がモノをいうことを実感しています。

と同時に株価はそれほど下がっていないのは株主優待のおかげだと思います。

なお、【肉食】の意味は肉を用いたメニューのことを指すのでしょうか?

申し訳ありませんが、四季報の見出しをよく理解できませんでした。

●会社ホームページから

2022年1月1日より社長が交代する旨のIRが出ていました。

次の社長のプロフィールを見ていると金融業界出身の方のようです。

黒字化に向けての組織的な取り組みに期待します。

●株主として

会社が厳しい状況に陥った時、最後にモノを言うのは消費者から愛される商品やサービスだと思います。

その意味で、サンマルクチョコクロや珈琲、そしてプレミアムな空間が無くなってほしくない人は少なくないと考えます。

株価の低迷もしばらくはやむを得ないかもしれません。

ただし、株主優待の維持については強く要望したいと思います。

 

【旅行中に訪れたサンマルクカフェ河原町三条店@京都】

f:id:cogepan20:20210929173614j:plain

                     

1 サンマルクカフェについて

⑴ 会社概要

本社は岡山にあります。

カフェやレストランでおなじみの会社です。

経営理念等

サンマルクホールディングス経営理念 

私達はお客様にとって最高なひとときを創造します

・株式会社サンマルク経営理念

私達はお客様に「意表の喜び」を創造し提供する

株式会社サンマルクは、自社の事業分野を「意表の喜び創造業」と規定します

セグメント

●レストラン事業

・ベーカリーレストラン「ベーカリーレストラン・サンマルク」「ベーカリーレストラン・バゲット

・スパゲティ専門店「生麵工房鎌倉パスタ

・回転ずし「すし処函館市場

・ドリア専門店「神戸元町ドリア」

●喫茶事業

・コーヒーショップ「サンマルクカフェ」

・フルサービス喫茶「倉敷珈琲店

●その他(実験業態)

・「奥出雲玄米食堂井上」、「ザ・シーズン」、「天青」、「石焼炒飯店等」

⑵ 株主になったきっかけ

近所にお気に入りのサンマルクカフェがあり、20%引きの株主優待が欲しくて株主になりました。

お気に入りのお店にもちょくちょく通っています。

また、素泊まりの旅行の時、最寄りにサンマルクカフェがある場合、美味しい朝食がお値打ち価格で食べられるので助かっています。

⑶ 経営分析

コロナ禍の影響を受け、赤字です。

株主総会招集通知の連結計算書類をもとに以下のように分析しました。

収益性

飲食店は原価3割が基本とのこと。

・売上高総利益率:78%

原価率は低く良いビジネスモデルと考えます。

ちなみにドトールの売上高総利益率58%と比較すると収益性はこの点では勝っていると思います。

安全性

流動比率(200%以上が目安):385%

・負債比率(100%以下が目安):48%

自己資本比率(30%以上が目安):68%

安全性の各指標は目安をクリアしており財務基盤はしっかりしていると考えます。

なお、ドトールも同様に上記3指数をもっと良い数値でクリアしており、短期~中・長期の安全性についてはドトールの方が有利と言えそうです。

効率性 

棚卸資産回転率:139

良い値であり、商品が売れていることが分かります。

ドトールの場合、棚卸資産回転率が48程度であることを考えると、お金の効率性はサンマルクの方が優位と考えます。

また、有形固定資産回転率は同社とも2程度であり、土地・建物にはお金をかけているようです。

株主優待カード】

f:id:cogepan20:20210924181308j:plain

2 株主総会

⑴ 株主総会

第30回定時株主総会 2021年6月24日(金)ホテルグランビア岡山

参加せず。

⑵ 株主還元    

配当

一株当たり44円

2021年3月期は減配です。

なお、2020年3月期までは、5期連続で一株当たり62円の配当をしていました。

株主優待

サンマルク株主優待カード(20%割引)

【モーニングで頂いたサンドイッチ】

f:id:cogepan20:20210929174639j:plain

                 

3 株主としてのコメント

⑴ 20%割引株主優待カードが可能な理由

スタバ、ドトールタリーズコメダそしてサンマルクはそれぞれ株主優待を実施ています。

そのなかで、20%割引の株主優待カードはかなりお得な優待ではないでしょうか。

上記5大カフェの中でそんなお得な株主優待を提供し続けているのはサンマルクカフェだけです。

何故、サンマルクカフェだけが20%割引というお得な株主優待が出来るのか?

素人なりにその要因を考えてみました。

商品の定価が高い

例えば、サンマルクカフェでブレンドコーヒーを2割引きした価格は、ドトールとほぼ同じ水準の金額になります。

もちろん、珈琲の質や量は異なりますが、サンマルク定価そのものが高めなのかもしれません。

原価に比べて定価が高いのではないかという仮説は、売上高総利益率が高いことにも符合します。

何故、定価を高めにできるのか?

その理由は、定価を高めに設定できるのは”チョコクロワッサン”のようなお客さんに愛される人気定番商品があるためと考えます。

コロナ禍の厳しい環境で生き残ったお店や商品は、消費者からの”無くなってほしくない”との強い支持があったため。

人気定番商品の力はすごいですね。

カフェのみでなく食事で利用するお客さんが多い

サンマルクではドリンクのみでなく食事をとるお客さんが多いようにみえます。

個人的に考えても、モーニングでガッツリ食べようと思ったらサンマルクを選びます。

そのように料理を注文する人の比率が多いことは客単価を上げることになり、その結果、20%引きの余地が生まれると推測します。

そう考える根拠は、同じく持株会社であるWDIの株主優待も20%割引カードであり、やはり料理を注文するお客さんが多いことにあります。

ドリンクと料理のいいとこどりができているのかもしれません。

直営店が多い

話は飛びますが、コロワイド株主優待ポイントが大戸屋で使えない理由として、フランチャイズが多いためと、社長が株主総会で説明していました。

もちろん、コロワイドの場合はポイントのみで全額決裁できてしまうので、2割引以上にインパクトが大きいがゆえの措置であることは分かります。

それでも、WDIのように優待カードは直営店では使え、フランチャイズでは使えないことを明確にし、徹底している会社もあります。

サンマルクカフェは直営店がかなり多い(サンマルクカフェの場合直営店365店舗、フランチャイズ店9店舗)のが特徴。

「割引の率」、「直営店とフランチャイズのバランス」を考慮した結果、20%割引が実現出来たと推測します。

⑵ ドトールとの比較

サンマルクカフェとドトール両社とも株主であり、個人的によく利用しています。

両者を比較すると、会社の規模としてはドトールが約2倍程度大きい反面、収益性の良さ、チョコクロワッサンという人気商品、お得な株主優待等についてはサンマルク頑張っている印象を持っています。

ドトールは使い勝手の良いアプリを駆使し効率性を追求するアプローチ、サンマルクはワクワクするような商品やお得な優待による顧客体験の向上を効果を狙ったアプローチのように感じています。

サンマルク企業理念である「意表の喜び創造業」が徹底され、顧客にもそのことが受け入れられていると考えます。

また、不動産や賃料についてはドトールの方が優位と考えられ、ちょっと乱暴ですが、

”攻めのサンマルク”VS”守りのドトール

のようなイメージを持っています。

どちらも多くの消費者にとって支持される存在。

アフターコロナを見据えて、さらに切磋琢磨しつつ成長を続けて欲しいと願っています。

 

ドトールの過去記事、よろしければご覧下さい。

 

cogepan20.hatenablog.com

 

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #サンマルク

  

DVC(ドトールバリューカード)の会員ステージアップ(プラチナ)について

こんにちは!

 

定年退職してそれなりに家族サービスしています。

でも、

『亭主元気で留守がいい』

といいます。

よって、妻のため、ちょくちょくカフェ仕事をしています。

その結果、

『塵も積もれば山となる』

ということで、DVCカードの会員ステージがゴールドからプラチナへランクアップしました。

この記事は、DVCカードの活用とランクアップまでの過程をまとめたものです。

 

【DVC:ドトールバリューカード】

f:id:cogepan20:20210927201718j:plain

 

 

1 DVCカードについて

全国のドトールエクセルシオールカフェで使えます。

ドトールのお店で300円払いカードを購入(300ポイントついています)しました。

その後、スマホアプリをダウンロードしてカードと紐づけています。

その際、クレジットカードを登録しておくといつでもどこでもチャージが可能。

また、最寄りのドトールのお店を地図上で探せたり、探したお店にWi-Fiや電源席があるかどうかも事前にチェックできます。

ちなみに、カード自体に有効期限はありませんが、ポイントの有効期限は最終利用日から3年間とのことです。

 

【会員ステージランクアップを知らせるスマホアプリ画面】

f:id:cogepan20:20210927140919j:plain

 

■お得な特典

・2000円以上チャージで5%以上のポイントGET!

・チャージ金額でお会計すると!%のポイントGET!

・アプリで簡単スピーディーにお会計が出来る!

■また、毎月1日はチャージボーナスポイントデーなので

・チャージするだけで10ポイントGET

・2000円以上の場合、チャージ金額に応じて5%以上のポイントGET!

■そして、赤字で記したところが

・シルバーランク:5%

・ゴールドランク(年間購入金額2万円以上):7%

・プラチナランク(年間購入金額5万円以上):10%

となります。

ちなみに、年間購入金額の”〆切”は毎年、9月15日。

よって、今年については9月上旬に5万円を達成したため、来年からプラチナカードにランクアップするということです。

 

スマホアプリの店舗検索画面】

f:id:cogepan20:20210927141339p:plain

 

2 DVCカードでプラチナ会員になった経緯

カフェ仕事をするようになり約1年。

いままでは、DVCカードはゴールド会員でした。

けれども、7月の終わり頃から

「ひょっとしたら、プラチナ会員いけるかも!」

と意識するようになり(会社の思うつぼ)、8月と9月は頑張ってドトールを利用してプラチナ会員をゲットしたという次第です。

 

【毎月買っているドトールの珈琲豆】

f:id:cogepan20:20210927201706j:plain

 

来年以降は続けられるでしょうか?

年間購入金額5万円というのは、1カ月当たり約4200円弱

このうち、200gの珈琲豆を毎月感謝デーの日に2袋買うことにしているので、その額約1500円

そうすると残り2700円をカフェで使用すればいいことになります。

自分の場合月に10日程度はカフェに行きますので、300円以上支払えば良い計算になります。

飲み物と”お菓子”をつければ自然とプラチナ会員を継続できる計算となります(あくまでも皮算用ですが)。

 

スマホアプリの店舗情報 電源席や無料Wi-Fiがあることが分かります】

f:id:cogepan20:20210927141415p:plain

 

3 カフェ仕事で良かったこと

プラチナ会員を達成するほどドトールのお店に通って良かったことを列挙します。

・自分の居場所の確保。

・カフェ仕事や勉強する習慣がついた。→生活の”柱”

・ブログを書く習慣(アウトプット)がついた。

・カフェで心地良くも集中できる時間を過ごすようになった(ノルアドレナリン効果?)。

・妻の息抜きの時間が増えた。

・株主としての務めを果たしている。

  

参考までに株主としてのコメントをまとめた日レス・ドトールの記事を紹介しますね。

 

cogepan20.hatenablog.com

 

カフェやレストラン等について有益な情報が入手できましたら引き続きアップしていきたいと思います。

おつきあいいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

#カフェ #ドトール日レス #DVC #ドトール #会員カード

  

日本モーゲージサービス【7192】について~株主総会雑感

初投稿:2021.9.23、更新日:2022.7.12

こんにちは!

この記事は、日本モーゲージサービス【7192】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたたものです。

なお、2022年6月の株主総会に参加したときの内容を追記して、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・デフレ脳からインフレ脳へ

・MSワラントの問題点

★★

【目次】 

株主総会会場にて】

1 日本モーゲージサービスについて

⑴ 会社概要

フラット35」貸付が主力の住宅ローンで事業展開をする会社です。

総資産225億円、売上高76億円、時価総額143億円の事業規模。

PBRは2.11倍で比較的、高い評価を市場から得ています。

企業理念等

●事業方針

 住宅事業者の経営を支援する 

●企業戦略コンセプト

 最も敷居の低いビルダーズバンク

●使命

 「住宅産業の新しい仕組みを作る」こと

セグメント

2021年3月期の計算書類から(営業収益構成比)

・住宅金融事業(45.4%)

独立行政法人住宅金融支援機構と提携し、「フラット35」等の住宅ローンを、住宅事業者を通じて受託資金需要者に貸し付ける事業。

・住宅瑕疵保険等事業(47.7%)

住宅瑕疵担保責任保険人として、法廷義務保険である新築住宅向けの「住宅瑕疵(かし)保険」を販売する業務。

・受託アカデメイア事業(6.9%)

住宅引き渡し後の住宅保証サービスや、住宅事業クラウドシステム等を提供する業務。

資産は人財

招集通知の中で当社は「新卒採用しない」という独自の価値観が掲載されていました。

理由としては、

「・・・事業規模を考えると従来の成功体験をマニュアルにし、新卒をゼロから自社色に育てる方法では、この変化の激しい時代に当グループのような企業が生き残るのは極めて難しいと考えている・・・」

とのことでした。

ちょっと、良くわからなかったです。

単に、即戦力が欲しいとか、教育システムの問題のようにも思えるのですが・・・。

⑵ 株主になったきっかけ

日経マネーで桐谷さんのコーナーでおススメ優待銘柄として紹介されていました。

あまり、詳しく調べないで購入。

その後は、

優待改悪→MSワラント発行→長期株価低迷

⑶ 2022年3月期の経営分析

当期は増収増益でした。

収益性

・売上高総利益率:71%

売上高営業利益率:22%

前期同様、収益性の高いビジネスモデルだと思います。

金融系の強みを活かした結果と考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):146%

自己資本比率(30%以上が望ましい):30%

昨年と同レベル。

直ちに危険に直面することはないもの安心できるレベルではなさそうです。

効率性

・有形固定資産回転率:39.18

有形固定資産については昨年と大きな変動はなさそうです。

有形固定資産の大半は「建物」が占めており限定的なコストでの経営がなされていると考えます。

⑷ 2021年3月期の経営分析

増収減益です。

収益性

・売上高総利益率:71%

売上高営業利益率:20%

上記の数値からは高収益のビジネスモデルと言えそうです。

ただし、営業キャッシュフローがマイナス17億円会社四季報秋号)であることに注意が必要です。

利益が出ているものの、現金が会社から流出しつづけていることは好ましいことではありません。

安全性

流動資産(200%以上が望ましい):143%

・負債比率(100%以下が望ましい):240%

自己資本比率(30%以上が望ましい):29%

MSワラントを発行したにもかかわらず、財務は短期的にも中・長期的にも安心できる水準にはないと判断します。

効率性 

・売上債権回転率:12.13

高い数値ではありません。

債権回収の調整に手間取っているのでしょうか?

さらに、バランスシートにおける流動資産に着目すると営業未収入金が約75億円あることが分かります。

営業収益が71憶円の会社にしては営業未収入金の金額が尋常ではありません。

これは当座預金口座を持つことが出来ない顧客を相手に取引しているためなのでしょうか?

いずれにしても、経営の効率性は高くないと判断します。

【資金調達についてのQ&A】

f:id:cogepan20:20210922140639j:plain

2 株主総会

⑴ 2022年6月の株主総会

7期定時株主総会 2022年6月29日(水) 新橋プレイス

午後開催なので参加できました。

猛暑の中でしたが、お水がテーブルの上に置いてありました。

総会に続いて事業説明会という構成。

総会では質問もなく、下記事項が拍手を持って賛成・可決されました。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役5名選任の件

事業説明会

社長が今後の事業展開についてプレゼンをされました。

テーマは『家をお金に変える時代の成長戦略』

主なポイントは下記の通り。

家をお金に変えるビジネスを目指す!

・米中対立やデカップリングにより、デフレ輸出マシンとしての中国の影響の低下

・資材高騰により新築は在宅品となる。

・ウッドショックの背景には木を売らずに排出権を売った方が儲かる事情がある。

金利の上昇は何よりも恐ろしい。

金利の変動リスクを個人が取るのはナンセンス!

・5000万円の借金に対して1%の変動金利の上昇は860万円の負担増

・戸建持家は全国に2,700万戸あり、古くても価値はある。

・戸建流通市場というのはマンションとは異なり難しい。

・買手(住める?)、売手(ただ同然?)、住宅事業者(田舎では商売にならない)

・時代の転換時、ストック循環型ビジネスでナンバーワンを目指す。

・当社の強みは58万件の戸建住宅のデータと住宅・再生・流通ビルダーとしての知見

・中古戸建住宅市場のラストワンマイルを克服してマネタイズできるよう努力中

・デフレ脳からインフレ脳への転換者が勝利を掴む!

などなど

質疑応答に際しては、

「いい勉強になりました」

とのコメントがありました。

株主総会雑感

正確には株主総会ではなく事業説明会ですが、興味深い話が聞けました。

特に、住宅ローン会社の社長が

金利の変動リスクを個人が取るのはナンセンス!

との発言は説得力がありました。

もちろん全てを鵜呑みにすることはできませんし、疑問点もあります。

けれども、デフレの時代からインフレの時代への発想の転換の必要性については腹落ちしました。

なお、当日のプレゼンについては7月4日から動画配信されています。

動画は下記のリンクです。

www.msj-group.jp

⑵ 2021年6月の株主総会

第16期定時株主総会 2021年6月29日(火) 新橋東急ビル

参加せず。

株主総会招集通知について

株主総会招集通知の表紙に社長の顔写真を掲載する会社は珍しい。

さらに頁をめくると資金調達Q&Aとして

Q.1 どうして新株予約券を発行しているのですか?

Q.2 希薄化に要る株価への影響が心配です。

との問いに対する答えが掲載されています。

業績&株価が低迷し続ける状況においては、説得力がありません。

⑵ 株主還元    

配当

2021年3月末:一株当たり20円

株主優待

持株数と保有期間に応じてクオカードが貰えます。

2020年の夏に持株数と保有期間を変更し大幅な株主優待改悪を行っています。  

株主優待QUOカード3000円分】

                                   

3 株主としてのコメント

⑴ MSワラントの問題点

財務的に問題があり銀行から借入金を得られない場合や信用力が無く公募増資ができない場合に、MSワラントによる資金の調達が行われます。

MSワラントは悪魔の錬金術と呼ぶ人もいるようで、投資家にとってはデメリットが大きい資金調達法です。

MSワラントとは?

まず、ワラントとは新株予約券のことです。

そして、MSはMoving Strikeの略なので、日本語としては「行使価格修正条項付新株予約券」となり、その意味するところは、「前日の株価終値よりも安い株価で株式を購入できるよう毎日購入価格を修正する新株予約権となります。

その問題点は、

・株価の希薄化

 株数の増加するため

・大量の売りが発生

 株を保有する意志のない証券会社に株式を発行するため

空売りの対象になり易い

 投資家から株価下落の材料と見なされるため。

などによります。

もちろん、MSワラントを発行する会社は多くあります。

自分の持株会社でもMSワラントを発行している会社は少なくありません。

ただし、日本モーゲージサービスの悪質なところは、いったん、株主優待を改良しておいて優待重視の株主に株を買わせた後、優待の改悪とMSワラントの発行を行うという計画的に新規株主を貶めるところにあります。

そのような非難や懸念を感じたのは自分だけではないと思います。

そのため、招集通知に資金調達Q&Aが掲載されているのだと考えます。

けれども、日本モーゲージサービスの問題点は、このような株主軽視の姿勢に留まりません。

もっと、ビジネスの根本的なところで問題を抱えているという理由を事項で列挙します。

⑵ ビジネスモデルについての疑問

●家は余っている!

現状でも全国で空き家が3割あり、人口減少によりさらに増加していくと予想されています。

これ以上家をつくっても売れるのか?

●メインバンクロスの会社が顧客で大丈夫か?

会社が顧客としている中小住宅事業者は財務基盤が弱く、銀行から見放された存在。

そんな顧客から資金を資金を確実に回収できるのか?

ちなみに、会社の営業収益が71憶円に対して営業未収入金が75憶円積みあがっていることをどのようにとらえているのか?

そもそも、メインバンクを失った会社に貸し付けする際はリスクを考え高金利になるはずです。

ウッドショック呼ばれ木材価格が高騰している現在、そこまでしてビルダーに融資することが本当にビルダーのためになるのか疑問を感じます。

●住宅金融事業ではそれほど儲かっていない

営業収益構成比で住宅金融事業は、住宅瑕疵保険等事業ほど儲かっていません。

MSワラントで調達したお金で商品を拡充したにもかかわらずです。

何のための資金調達だったのか?

儲からない事業に資金を投じる理由が分からない。

●SDGsのトレンドを無視

ほとんどの上場会社において株主通信等でSDGsの取組について紹介されているのにこの会社の招集通知にはそのような記載がない。

いまどき珍しい会社です。

そもそも、住宅関連事業においては中古住宅などの伸びが著しいなか、中小住宅供給会社が従来通りの仕事を続けるのは日々、難しくなってきているのではないだろうか?

●「デジタル化による生産性向上・利益確保」とはいうものの・・・

会社が考える対処すべき課題のなかに、「デジタル化による生産性向上・利益確保」というこうもくがある。

しかし、口で言うほど容易なことではないと考える。

リブワークというネットを駆使した住宅供給会社があり(株主でもありますl)、増収増益を続けている一方で、株価は低迷しています。

クラウドサービスを導入したからといって、著しく事業展開が向上すると考えるのなら、ちょっと認識が甘いのでは?

●そもそも、ビルダーをサポートする前に会社そのものの財務は大丈夫なの?

安全性を分析し、会社自体の財務基盤の脆弱性があきらかになっています。

ひょっとしたら、MSワラントで資金調達せざるを得なかったのは金融サービス拡充ではなく、自社が生き延びるための手当ではなかったのか?そんな疑念さえ生じます。

最後に

株主として、厳しい指摘がつづきました。

ではなぜ、株主でいるのか?と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。

株式を保有している理由は、このようなある意味ユニークな会社の末路を見届けたいという好奇心(クックパッド)と同じです)からです。

ただし、最悪の事態も覚悟しておかなければならないと考えています。

引き続き、リスク管理を徹底しつつ会社の様子をモニターしていきます。

株主優待のカタログギフト】

4 まとめ

日本モーゲージサービスについて述べてきました。

株主優待、MSワラントなど特徴のある会社ですが、デフレからインフレの時代の転換に置いて必死に生き残ろうする姿勢が感じられました。

今後の事業展開の成否は株主を含むさまざまなステークホルダーの理解と支援にかかっていると思います。

そのためにも誠実かつ真摯な経営を期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #日本モーゲージサービス #インフレ #排出権 #ウッドショック

 

インテリックス【8940】〜株主総会雑感

初投稿:2021.9.20、更新日:2022.8.30

こんにちは!

この記事は、インテリックス【8940】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、株主総会参加時の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・リノベーション市場のトップランナー

・低いPBRと中期経営計画

【目次】 

【会社から頂いた事業説明資料】

f:id:cogepan20:20210920151344j:plain                     

1 インテリックスについて

⑴ 会社概要

不動産再生(リノベーション)の会社です。

総資産409億円、売上高361億円、時価総額50億円の事業規模。

時価総額の小さから分かるように、PBRも0.45と厳しい評価。

リノベーション市場のリーディングカンパニーですが、企業価値向上には伸び代が大きいように思います。

企業理念等 

・ミッション:人と社会と新しい価値を繋ぎ、幸せをつくる

・ビジョン:すべての人にリノベーションで豊かな生活を

・バリュー:Intellex Mind インテリックスが大切にしている11のこと

・スローガン:次の価値を図る。

セグメント

2つの事業から成り立っています。

●リノベーション事業分野

リノベックスマンションの販売。

●ソリューション事業分野

収益物件やリースバック物件の売却。

⑵ 株主になったきっかけ

5月決算企業の中で、業績の良さなどを考えて株主になりました。

ちなみに、不動産再生銘柄としては、インテリックスの他にスターマイカ保有しており、両者を比較しながらの分析も試みています。

⑶ 2022年5月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率:4%

収益性は低く、しかも売上高営業利益率が昨年比で1%低下しています。

中期経営計画ではROE10%を目標とされているので、計画通りの進捗なら収益性向上が期待されます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):134%

自己資本比率(30%以上が望ましい):29%

昨年と比べると短期的な安全性は若干向上した一方、反対に中・長期的には低下しています。

棚卸資産の増加に伴い有利子負債が増えたことによるものと説明がありました。

安全性に懸念はあるものの、会社としては財務面を考慮しながら経営をしているものと考えます。

効率性

・売上債権回転率:157.18

棚卸資産回転率:1.83

債権の回収については昨年より効率性が低下したものの、比較的高い経営がなされていると考えます。

一方、棚卸資産回転率は1.83は前期のよりも低下しています。

そのことは、在庫不足等の理由で物件の売却が進まず減収となったことと一致します。

ちなみに、棚卸資産回転率はスターマイカよりも良い数値となっています。

⑷ 2021年5月期の経営分析

株主総会招集通知に記載の計算書類に基づき分析しています。

収益性

リノベーション市場の追い風を受けて増収増益でした。

細部は以下の通りです。

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率:5%

収益性は低いです。

原価及び販管費が高いことが原因だと思います。

企業価値を高めるためにはコスト高を改善し、収益性を高める必要があると考えます。

ちなみに同業のスターマイカ(同じく株主です)は

・売上高総利益率:15%

売上高営業利益率:8%

です。

顕著な差は無いものの営業利益率が高いスターマイカの方がより頑張っているようにも感じます。

また、売上高総利益率が40%を超える場合、競争力のあるビジネスモデルを構築していると見なされます。

持株の不動産会社のなかで、それを達成しているのはCasa(59%)のみで、DXの効果が効いているためと考えています。

安全性

流動比率(200%以上が目安):132%

・負債比率(100%以下が目安):213%

自己資本比率(30%以上が目安):32%

財務につきましても、懸念が残ります。

スターマイカとの比較でも指標の優劣はあるものの、財務が盤石な状態とは言えない状況です。

十数年前に一世を風靡したカタカナ不動産会社がリーマンショックで全滅しました。

不動産会社への投資には、特に、〇〇ショックで生き残れるかどうかという視点が欠かせないと考えます。

効率性 

・売上債権回転率:197.96%

比較的高いです。

同業のスターマイカも約400と債権回収は上手にやっていると考えます。

キャッシュフローが滞らないよう留意して経営しているようです。

トップランナーの約束。として、リノベーションされたマンションの品質の高さをアピールする頁】

f:id:cogepan20:20210920152829j:plain

2 株主総会

⑴ 2022年8月の株主総会

第26回定時株主総会 2021年8月30日(火) 渋谷駅セルホテル東急

十数名の方が会場に集っていました。

社長の挨拶で総会が開始。

事業報告の中で、在庫不足や商品化の遅れにより減収・減益となったことが報告されました。

併せて、プライム市場選択に伴い、2027年までに上場基準を満たすための中期経営計画を策定した旨が説明されました(ROE10%以上など)。

主な質疑応答

Q.事業の多角化について

A.セグメントをリノベーションとソリューションに区分した。

その中で、社会のニーズに応じてリースバック事業等を立ち上げている。

ストックビジネスフロービジネスを活かしつつ利益を積み重ねていく。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役9名選任の件

監査役1名選任の件

・会計監査人選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

最後に、新役員の紹介があり拍手が送られていました(終了時は拍手なし)。

その後、中期経営計画についての説明が実施されました。

株主総会雑感

総会の運営は感染症対策お水のサービステーブル付きの席など申し分のないものでした。

ちょっと、株主総会での株主からの質問が少ないのがちょっと気になりました。

会社の持続的経営においては経営陣の奮起のみならず、株主を含むステークホルダーからの熱い支持が必要と考えます。

今後、会社がIRを積極的にするなどして

ステークホルダーを巻き込みつつ勢いづくこと”

が、低いPBRの改善等に役立つように感じました。

株主総会会場にていただいた水】

⑵ 2021年8月の株主総会

第26回定時株主総会 2021年8月27日(金) 渋谷駅セルホテル東急

参加できず。

⑶ 株主還元 

配当

2021年5月期:1株当たり35円

株主優待

なし   

 配当利回りとしては3%を超えており、株主としてはありがたいと感じています。

会社の目標は配当性向30%だそうです。

出来れば、一貫して増配基調を維持して頂くことを願っています。

株主総会の会場 エクセルホテル東急】

f:id:cogepan20:20210920154345j:plain                 

3 株主としてのコメント

⑴ リノベーション市場について

会社の説明資料では、首都圏におけるマンション市場は、中古物件(リノベーション市場)の成約件数が新築の供給戸数を2016年以降5年連続で上回っているとされています。

そして、インテリックスはこの中古物件市場におけるトップランナーとしています。

けれども、それにしては時価総額は100億に満たず、収益性も高くないというのは何故なのか?

例えば、新築物件市場における有名企業と言えば、三井、三菱、住友、野村などが思い浮かび、時価総額も兆の単位の巨大企業ばかりです。

SDGsのトレンドも追い風にできるはずなのに。

そのように考えると、リノベーション市場まだまだ発展途上にあり、市場もそのポテンシャルを十分に織り込んでいないのかもしれません。

今後の成長が楽しみな反面、”市場からあまり高い評価を受けていない”理由についても引き続き、深掘りしつつ株主を続けていくつもりです。

⑵ 不動産投資について

藤忍氏の著書『日本×世界で富を築く グローバル不動産投資』のあとがきにおいて、インテリックスからの情報提供を得たとの記載がありました。

藤忍氏の主張は、金融資産と実物資産によるハイブリッド投資がこれからの時代に有効になるとするものです。

自分もその考え方にはある程度納得しつつも、どうしても不動産投資のハードルの高さを意識してしまいます。

そんな意味でも、まず、不動産会社の株主になって中古マンション業界のことを学ぶことも実物資産に投資をする前の第一歩としても有効なのではないかと考えます。

いまなら、8万円弱で100株の単位株主になることが出来ます。

【エクセルホテル東急にて】

4 まとめ

インテリックスについて述べてきました。

PBRが0.45倍と市場や投資家からは厳しい評価。

けれども、プライム市場選択に伴い、中期経営計画を策定セグメントも変更しての事業展開に期待も持てます。

何かきっかけがあれば大きく成長することもあると信じて、株主を続けていきます。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #インテリックス #リノベーション